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成長・修復系因子が豊富に含まれた「ステムサップ」とは??

公開 2020年2月21日
更新

1.ステムサップとは
2.再生医療とは
3.細胞とは
4.幹細胞とは
5.どんな効果があるのか
6.どのような治療方法なのか
7.まとめ

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MBC・麻布十番 院長
立花 義浩
監修者

専門科目:皮膚科/美容皮膚科。北海道大学精神医学教室、北海道大学救急医学教室、東京慈恵医大救急医学教室にて修練を重ねた経験をもつ。また、銀座にて美容皮膚科医として、都内皮膚科クリニックにて、皮膚科医としての勤務経験をもつ。

ステムサップとは

再生医療を行っている美容クリニックにおいて、ステムサップというエイジングケア系の治療が新しく出てきました。正式には「高純度培養上清液ステムサップ」という治療です。これはある一種の「液」なのですが、なんと、幹細胞の培養時に得られる液体部分のことなのです!!この液を体内に注入するだけで、古くなってしまった組織や傷ついてしまった組織の再生を助けるあの幹細胞の!と思われた方は天才かもしれません。よほど再生医療に精通した方だと思います。その他の方は、この記事を続けて読んでいただいて、なぜ凄いのかを是非発見していただけたらと思います。

再生医療とは

再生医療とは文字の通り、再生を促す医療技術のことです。前回の記事でお伝えしたように、簡単にご説明すると、もともと例えば肝臓が悪くなってしまって、肝臓を再生したり新しく創ったりすることを目指すような医療技術のことを指します。私たちの体、人体は多くの細胞からできています。その数、なんと約60兆個、270種類ともいわれています。再生医療は疾患を治すのに薬や手術などでアプローチするのではなく、細胞に着目して再生や修復をしようという新しい、現在研究が盛んで、注目されている医療技術のことなのです。

細胞とは

細胞という言葉を聞いたことがない方はほとんどいらっしゃらないと思います。人の細胞は約60兆個、270種類と言われていますが、すべて、もともとはたった一つの、受精した卵子から分裂、分化しているのです。この細胞には、再生する仕組みがあります。例えば美容領域で説明すると、肌のターンオーバー等で理解することができます。古くなった角質、という言葉を聞いたことがあると思いますが、肌の細胞が古くなり死んで、新しい肌ができるターンオーバーもこの細胞の再生機能が大きな役割を果たしているのです。髪の毛も同じです。どんどん長くなっていきますよね。髪の毛の細胞が増えているという事です。

幹細胞とは

例えば筋肉や骨と骨をつないでいる靭帯、また、骨や軟骨。これらは何となく系統が似ているとは思いませんか?人体の約270種類にも及ぶ細胞の種類の中で、おおもとになる細胞があります。これが幹細胞といわれる特殊な細胞です。幹細胞には二つ能力があります。それは自己複製能力と分化能力です。つまり、1つの幹細胞は同じ細胞に分裂して2つ以上になることができ、それはいろいろな細胞に分化、つまり、変わることが出来るという事です。例えば、脂肪からとった脂肪幹細胞は、脂肪幹細胞になることも、肌になったり、筋肉になったり、骨になったり、靭帯になったり、軟骨になったりすることも出来るという事です。

この幹細胞にはいくつか種類があります。大きく分けて受精卵からつくる万能細胞(どんな細胞にもなることができる)ES細胞。これは元々「人」になる手前の細胞な為、これをいくら医療の為とは言え利用することに道徳的な抵抗がある方もいらっしゃいます。そして、一世を風靡したiPS細胞。ノーベル賞受賞でニュースをにぎわしましたが、これもES細胞と同じく万能細胞である一方、受精卵からではなく他の細胞の遺伝子を操作して作ることが出来ます。

ES細胞、iPS細胞どちらも、万能細胞であるがゆえに、意図しない細胞に分化してしまう事があります。それを解決したのが成体幹細胞です。つまり、ある程度分化が進んだ状態の幹細胞(成体の細胞)を使用することによって、例えば脂肪から採取した幹細胞であれば、同系統の細胞、つまり骨、筋肉、軟骨、神経等の細胞等に限定して変化できるのです。

美容領域における再生医療のほとんどは、この成体幹細胞を利用した医療技術をベースとしています。ここで覚えて頂きたいのは、幹細胞には増える力があるということと、様々なものに変化する力がある、というこの2点です。

どんな効果があるのか

この幹細胞自体を再生医療や美容医療に使用する際、かならず培養して数を増やすのですが、その際に使用する培養液の上澄み部分が高純度培養上清液ステムサップなのです。幹細胞のすごさ(増える力と変わる力)はご説明した通りですが、この培養液の上澄み部分には、幹細胞が増殖するにあたって放出した沢山の生理活性物質が含まれているのです。例えば、皮膚を再生する因子、血管を増やす因子、神経を直す因子、免疫に関わる因子、骨をつくる因子などです。つまり、これらの因子をふくんだ液体を体内に取り入れることによって例えば内部からコラーゲンを増やす、毛を増やすということに対してアプローチすることが出来るようになったのです。

どのような治療方法なのか

さて、では具体的にどのような治療メニューや方法があるのでしょうか?現在、ステムサップを利用した治療メニューは3種類あります。一つ目はお肌の悩みに対するアプローチです。内部からコラーゲン生成を促すことが可能な為、エイジングケアに効果を見込むことが出来ます。例えば、小じわなどですね。また、しみ、くすみ等にも効果が見込めます。再生するパワーを補充するというイメージですので、ターンオーバーを促進していくことによってしみやくすみに対してアプローチすることが可能です。これらは、肌から導入もしくは点滴によって体内に注入します。二つ目は、髪です。そう、女性でも近年薄毛治療が人気になってきましたが、抜け毛や薄毛は成長因子の不足によって引き起こされることもあります。この成長因子が豊富なステムサップを頭皮に直接注射したり点滴をしたりします。三つめは疲労回復や免疫力UPです。これは直接点滴や鼻腔から導入することが可能です。

まとめ

今回はステムサップという聞きなれない美容医療の新メニューについてご説明をしました。あまり導入している施設がまだ多くはありませんが、再生医療の一つでもあるこの治療方法は今後ますます注目されていくと考えています。この世界では昔から、新しい美容医療が発表されると沢山の施設が飛びつき様々なメニューやプランを考えて世に出してきます。再生医療は先進的な医療であるがゆえに法整備が追い付いていない部分も実はあります。クリニックを選ばれる際は是非この点にご注意いただきたいと考えています。また、当クリニックは美容と医療の融合をモットーに、皮膚科を併設しております。女性の「美」と切り離すことのできない「肌」のプロ集団ですので、再生医療が気になったら是非ご相談いただければと思います。