ボルニューマーは、たるみやしわの改善に効果的な治療機器です。最近ボルニューマーという言葉をよく見聞きするものの、その特徴や効果などは知らないという方もいらっしゃるかもしれません。そこでこの記事では、ボルニューマーの特徴や効果、ほかの施術との違いについて詳しく解説します。
聖マリアンナ医科大学医学部付属病院皮膚科、聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院皮膚科にて勤務したのち、医療法人社団奏愛会 おおふな皮膚科など皮膚科クリニックにて研鑽を重ね当クリニックにて勤務。
ボルニューマーとは?
巷で人気のボルニューマーですが、どんな治療機器なのか気になるという方もいらっしゃるのではないでしょうか。そこでここではボルニューマーについて詳しく解説します。
ボルニューマーとは?高周波(RF)によるたるみ治療機器
ボルニューマーは、高周波(RF)を用いたたるみ治療機器です。肌のいちばん表面にあたる表皮にダメージを与えずに奥深くの真皮層や脂肪層に熱を加えることで組織を引き締め、肌を土台から引き上げる効果が期待できます。
高周波(RF)とは
高周波(RF)は電磁波の一種で「ラジオ波」とも呼ばれます。美容医療だけでなく、痛みの緩和や創傷治癒の促進などを目的に医療現場でも用いられています。
高周波(RF)は、体内に存在する分子同士を摩擦させることで熱を発生させます。これにより肌の奥深くに位置する脂肪層の繊維物質が収縮し、内側からたるみを引き締める作用があります。
従来の高周波(RF)機器でリフトアップ効果を引き出すためには強い熱エネルギーが必要とされていました。しかし、肌に強い熱エネルギーを加えると痛みや熱感などを伴うことがあります。
ボルニューマーでは、独自形状のカートリッジを用いることや水冷式システムの搭載により、高周波(RF)を照射する際の痛みを軽減させることが可能になりました。
また、ボルニューマーは2つの電極を有する「モノポーラ式」の治療機器で、真皮層や脂肪層など肌の奥深くへのエネルギー照射を得意としています。そのため、表皮へのダメージを抑えつつ、真皮層や脂肪層に強い熱エネルギーを均一に照射することができます。
ボルニューマーの効果
組織へのダメージを抑えつつ肌の奥深くまでアプローチできるボルニューマーですが、具体的にどんな効果が期待できるのかも気になりますよね。ここではボルニューマーによって期待できる効果を4つ紹介します。
フェイスラインの引き締め
ボルニューマーでは、フェイスラインの引き締めに効果が期待できます。真皮層や脂肪層に高周波(RF)を照射すると、たんぱく質の変性と脂肪層の繊維物質が収縮します。この収縮により、肌全体が即時的に引き締まります。
さらに、高周波(RF)を照射した真皮層では「線維芽細胞」からコラーゲンやエラスチンなどの成分の生成が促されます。線維芽細胞は皮膚の真皮にあり、美肌の元となる成分(コラーゲン・エラスチン・ヒアルロン酸)を生成する役割を担う細胞です。これらの成分が数ヶ月間持続的に生成され続け、弾力のある肌へと導きます。
目元のたるみ・しわ
ボルニューマは目元のたるみやしわの改善にも効果が期待できます。目元のたるみやしわは、加齢によって、線維芽細胞から生成されるコラーゲンなどの分泌量が減ったり、目の周りの筋肉が衰えたりすることが原因です。
目の周りは皮膚が薄いほか重要な神経も集まる部位であるため、治療を行う際は注意が必要ですが、ボルニューマーでは目元専用のカートリッジを使用することでデリケートな部分にも高周波(RF)を照射することが可能です。高周波(RF)を照射することで、目の下のたるみや目元のしわの改善につながります。
二重アゴの引き締め
二重アゴにはさまざまな原因が挙げられますが、ボルニューマーは二重アゴの引き締めにも効果的です。肥満のほか、加齢による皮膚のたるみなどによって引き起こされることがあります。
肥満によってあごに脂肪が蓄積し、さらに年齢とともに皮膚の弾力が失われることで二重アゴになってしまうことが原因の一つです。
ボルニューマでは、専用のカートリッジを用いてあご下に高周波(RF)を照射することで、たるんだ脂肪を引き締め、二重アゴの改善にも効果が期待できます。
首のたるみ・しわ
首元は肌(表皮+真皮)を支える靭帯がないため、皮下組織にあるコラーゲンがネット上に存在していることで脂肪細胞を支え、皮膚のハリを保っています。
しかし、加齢によってコラーゲン、ネットが弱く、細くなると脂肪細胞を支えきれなくなり、首元がたるんだりしわができたりしてしまうことがあります。
ボルニューマーでは、首元専用のカートリッジで首のたるみやしわの改善が期待でき、年齢に負けない若々しい首元へと導きます。
ボルニューマーの特徴
さまざまな効果が期待できるボルニューマー。ここではその特徴について詳しく解説します。
痛みが少ない
ボルニューマーは従来の高周波治療と比較して痛みが少ないことが特徴です。
高い効果を実現するためには強い高周波を照射する必要があり、従来のたるみ治療に用いられていた機器は、肌に高周波を照射する際、痛みが生じる点がデメリットとして挙げられていました。
ボルニューマーでは、高周波の照射に伴う熱感や痛みをやわらげる制御モードを搭載しています。水冷式による冷却システムや段階的な組織の加熱によって、これまでの高周波治療機器と比較して痛みを軽減させることができるようになりました。
たるみやしわを改善したいけど、なるべく痛みを抑えて治療を受けたいという方にも、ボルニューマーはおすすめです。
専用カートリッジで様々な部位に対応
ボルニューマーは、専用のカートリッジによってさまざまな部位に対応が可能です。目元や首元は皮膚が薄く、神経や血管も多く走行する部位であるため高周波を照射する際には注意が必要な部位と言えます。
しかし、ボルニューマーには4種類のカートリッジが搭載され、顔全体のほか目元や首元、あご下にも安全に高周波(RF)を照射することができます。弾力の低下やたるみ、しわが気になる部位など悩みに合わせて高周波(RF)を照射することが可能です。
肌に密着し均一に照射
ボルニューマーのカートリッジは、肌に密着して均一に高周波を照射可能な点が特徴です。特許を取得した独自のカートリッジは、高周波(RF)による熱が一点に集中しないよう、チップ先端が丸い形状をしています。
また、チップは肌に密着し、凸凹にもフィットするよう設計されています。そのため、熱が均一に行き渡り、火傷や痛みのリスクを緩和して必要なところのみに高周波を届けることができるのです。
安全性と高い効果へのこだわり
たるみやしわが気になる部位は顔全体のほか目元、首元と人によってさまざまです。
ボルニューマーには顔全体だけでなく、目元、首元、顎下専用のカートリッジがあります。痛みを抑えながらそれぞれの部位に効率的に高周波(RF)を照射することができ、部分的な悩みにもアプローチすることが可能です。
さらに、ボルニューマーには4段階の振動・冷却センサーや温度センサーも搭載されており、高い効果を維持しながらも、火傷のリスクを抑え、安全性にも配慮しています。
ボルニューマーはこのような方におすすめ
ボルニューマーは、以下のような方におすすめです。
- ・顔のたるみやしわを改善したい
- ・目元のしわが気になる
- ・”二重あご”を改善したい
- ・痛い治療は受けたくない
- ・顔全体をリフトアップさせたい
ボルニューマーとほかのたるみ改善治療との違い
ボルニューマーと同様、たるみの改善が期待できる治療に「HIFU」や「サーマクール」などがあります。ここでは、ボルニューマーとHIFU、サーマクールの違いについて解説します。
ボルニューマーとHIFUとの違い
ボルニューマーとHIFUはいずれも真皮層や皮下脂肪層にエネルギーを照射するものの、使用する熱エネルギーの種類が異なります。
・HIFU
ボルニューマーでは高周波(RF)を使用する一方、HIFUでは超音波を使用します。HIFUでは、超音波を一箇所に集中させる「焦点照射」によって組織に熱変性を発生させ、たるみを土台から引き上げます。
焦点照射では一定の部分のみに熱エネルギーを与えることができるため、途中で通過する部位にはダメージを与えません。HIFUではピンポイントに熱エネルギーを照射するため、特にフェイスラインやあご下など、部分的なリフトアップに高い効果が期待できます。
・ボルニューマー
ボルニューマーでは高周波(RF)が通過するすべての部位が加熱されます。水冷式冷却システムにより周囲へのダメージを抑えながら皮下脂肪層に熱変性を生じさせます。ハイフと比較して熱感や痛みも抑えつつ、広い範囲に熱エネルギーを照射するため、顔全体のリフトアップに効果的です。また、HIFUに比べて効果が緩やかであると言えます。
高いリフトアップ効果を期待しつつもより痛みを軽減したいという場合には、ボルニューマーがおすすめです。
HIFUについて詳しく知りたい方はこちらの記事も参考にしてください。
ボルニューマーとサーマクールとの違い
ボルニューマーとサーマクールはいずれも高周波(RF)を使用する点は同様で作用などにも大きな違いはありません。
しかし、ボルニューマーの方がより痛みが少なく、4種類のカートリッジを使い分けることで照射できる範囲が広い点がサーマクールとの大きな違いです。
サーマクールでは皮膚内部に軽い火傷を起こし、火傷が修復する過程でコラーゲンなどの生成が促され、肌質の改善が期待できる治療法です。たるみやしわに効果的である一方、施術中の熱感や痛みなどのリスクがあります。
しかし、新陳代謝を正常に整え肌質が改善することでニキビや毛穴の開きにも効果が期待できます。たるみやしわだけでなく、ニキビや毛穴の開き、肌質の改善も目指したいという場合には効果的な治療法と言えます。
効果的に顔のたるみ治療を行うために
たるみ治療には複数の治療法があるため、どれを選べば良いか分からないという方もいらっしゃるかもしれません。そこでここでは効果的に顔のたるみ治療を行うためのポイントを解説します。
ボルニューマーとHIFUの同時施術
効果的に顔のたるみ治療を行うためには、ボルニューマーとHIFUの同時施術がおすすめです。同時施術によって両方の施術のデメリットを補いつつ、効果を高めることが可能です。
ボルニューマーでは皮下脂肪層の中層まで広範囲に熱エネルギーを照射できるのに対し、HIFUでは筋膜(SMAS筋)にピンポイントで熱エネルギーを照射できます。
ボルニューマーは広い範囲に熱エネルギーを与えられるため顔全体のリフトアップに効果的ですが、HIFUと比較して効果の現れ方が穏やかであると言えます。一方、HIFUではたるみを引き起こすSMAS筋にピンポイントで熱エネルギーを与えられるため、肌を土台からグッと引き上げることが可能です。
つまり、ボルニューマーとHIFUを同時に行うことで、肌表面のたるみやしわを改善しつつ、深い層からも引き上げることができます。
高いリフトアップ効果を期待したいという場合には、ボルニューマーとHIFUの同時施術を選択肢の一つとしておすすめします。
MBCでのボルニューマ―の料金
ボルニューマー | |
---|---|
ボルニューマーフェイス(200shot) 1回 | 78,000円(税込) |
ボルニューマーフェイス(200shot) 3回 | 198,000円(税込) |
追加:ボルニューマフェイス(100shot) | 38,000円(税込) |
追加;ボルニューマアイ(100shot) | 19,800円(税込) |
ボルトラ3(ボルニューマ+HIFUウルトラフォーマー3) | |
---|---|
ボルニューマフェイス(200shot)+ウルトラフォーマー3(300shot) | 99,800円(税込) |
ボルニューマフェイス(300shot)+ウルトラフォーマー3(300shot) | 148,000円(税込) |
追加:ボルニューマフェイス(100shot)+ウルトラフォーマー3(100shot) | 49,800円(税込) |
相談できるクリニックを選択する
相談できるクリニックを選ぶこともポイントです。顔のたるみ治療にはボルニューマーのほかサーマクール、HIFUなどさまざまな種類があり、どの治療法が適切なのかは人それぞれ異なります。
いずれもメリットだけでなくデメリットがあるため、たるみやしわができやすい部位や肌質に合わせ、適切な治療法を選ぶことが重要です。そのためには、たるみ治療に関して技術力の高い医師にカウンセリングや施術を受けることが重要です。
信頼・相談できるクリニックでカウンセリングを受け、お悩みや肌質に合わせた施術を受けるようにしましょう。
よくあるQA
ここではボルニューマーに関してよくある質問をまとめました。施術を受ける際はぜひ参考にしてください。
Q.ボルニューマーでは、ダウンタイムはありますか?
ボルニューマーでは基本的にダウンタイムはありません。人によっては施術部位が腫れることがありますが、多くの場合1日以内に軽快します。万が一気になる症状が現れた場合には、クリニックまでご連絡ください。
Q.ボルニューマーの効果はどのくらいで出現しますか?
ボルニューマーでは、初回から効果を実感できるケースが多いでしょう。しかし、効果は時間の経過とともに減少していきます。効果を持続させるためには、継続して施術を受けていただくことをおすすめします。