シミを改善するためにレーザー治療を受けたのに、色素沈着を起こしてしまったという方もいらっしゃるかもしれません。レーザー治療では、施術後に「炎症後色素沈着」を起こすことがあります。時間の経過とともに改善することが多いものの、なるべく早く治したいところですよね。
そこでこの記事では、炎症後色素沈着の原因や効果的な治療法、セルフケアについて詳しく解説します。
聖マリアンナ医科大学医学部付属病院皮膚科、聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院皮膚科にて勤務したのち、医療法人社団奏愛会 おおふな皮膚科など皮膚科クリニックにて研鑽を重ね当クリニックにて勤務。
レーザー治療後に色素沈着が起きることも!
レーザー治療後にシミができるものを「炎症後色素沈着」と言います。ここでは炎症後色素沈着とはどんなものなのか、炎症後色素沈着を起こす原因について解説します。
レーザー治療後の炎症後色素沈着とは?
炎症後色素沈着とは、レーザー治療によって肌に炎症が生じ、一時的にシミができることです。シミの治療のためにレーザーを行っても、治る過程でさらに、レーザー治療後の肌にシミができてしまうことがあるのです。
しかしこれは一時的なもので、多くの場合は自然に消失します。ただし、施樹後のケア方法によってはシミを悪化させてしまったり治るのを遅らせてしまうこともあるため注意が必要です。
炎症後色素沈着の原因
炎症後色素沈着は、レーザー治療後の肌への刺激などが原因です。レーザー治療後の肌は、一時的に肌が炎症を起こし、火傷を起こしたような状態になっています。
火傷を起こした状態がきっかけになり、肌に炎症が起きた結果、メラニン色素を生成する細胞(メラノサイト)が活性化され、メラニン色素が現れて、肌にシミが現れます。
例えば、擦り洗いや過度なスキンケアによる摩擦、日焼けなどを起こすと、それが刺激となって炎症後色素沈着を引き起こすことがあります。
色素沈着のセルフケア
レーザー治療後の色素沈着を防ぐためには、自宅でのセルフケアが重要です。日焼けしないよう、日焼け止めや日傘、帽子などを使用して紫外線対策を行いましょう。
また、レーザー治療後の肌はバリア機能が低下し一時的に外部からのダメージを受けやすくなっている状態です。そのため、スキンケアではなるべく刺激を与えずたっぷりと保湿するよう心がけましょう。
保湿力の高い化粧水や乳液を使用して優しくケアするほか、テープ保護や塗り薬の使用を指示されている場合には、主治医の指示通りに行ってください。
洗顔は優しく、擦らず洗うことが基本です。石鹸をたっぷりと泡立て、肌と手のひらの間で泡を転がすようにして洗いましょう。
保護テープや塗り薬の指示がない場合には、施術後からメイクすることも可能なケースがあり、メイク可能時期やメイク方法などについては医師に確認してください。
もし、治療後に色素沈着が出てしまった場合は、なるべくお肌に刺激を与えないように、普段より気をつけて、お手入れをすることが大切です。
色素沈着の治療法
炎症後色素沈着を起こしてしまった場合には、治療によって改善を期待することができる場合もあります。ここでは炎症後色素沈着の治療法について解説します。
塗り薬、内服薬
炎症後色素沈着の治療法には塗り薬や内服薬などがあります。塗り薬には「ハイドロキノン」や「レチノイン酸」が処方されることがあります。
ハイドロキノンはメラニン色素のもつ酵素(チロシナーゼ)の働きを抑えることで、シミを薄くする効果が期待できる治療薬です。
一方、レチノイン酸は「トレチノイン」とも呼ばれ、皮膚の奥深くに発生したメラニン色素を古い角質と一緒に押し出す治療薬です。国内では未承認で、使用時にひりつきなどを感じることもあります。
内服薬としてはビタミンCが処方されることがあります。ビタミンCはメラニン色素の生成量を抑える効果が期待できます。
レーザー治療後にシミができてしまっても、多くの場合時間の経過とともに軽減されます。しかし、塗り薬や内服薬を使用することで回復するスピードを早めることができるケースもあるため、炎症後色素沈着でお悩みの場合にはクリニック医師までご相談ください。
レーザー治療の色素沈着から早めの回復を促していくために、いくつか治療方法があります。最新の情報を踏まえてご提案していきます!
効果的な治療法
塗り薬や内服薬のほか、「ケミカルピーリング」や「ピコレーザー」などの美容施術でも炎症後色素沈着の改善に効果が期待できることがあります。
ケミカルピーリングは酸性の薬液を肌に塗布し、肌表面の古くなった角質を取り除く治療法です。新しく健康な肌の再生を促すことで、色素沈着を改善する効果が期待できます。
施術を繰り返すことで徐々に古くなった肌が角質として剥がれ、同時にメラニン色素も取り除かれ、シミを薄くすることができます。
一方、ピコレーザーは凝縮されたレーザーを顔全体にシャワーのように照射する治療法です。肌の奥深くに存在するメラノサイトの働きを抑え、同時にコラーゲンの産生を促します。これにより、顔全体のシミや色素沈着の改善に効果が期待できます。
また、顔全体だけでなく、気になるシミにピンポイントでレーザーを照射することも可能です。レーザー照射後は照射部位がかさぶたになって剥がれ、徐々にきれいな肌が出てきます。
しかし、他のレーザー治療と同様、ピコレーザーでも施術後の肌に刺激を与えると色素沈着を起こす恐れがあるため、施術後の丁寧なスキンケアや紫外線対策を心がけましょう。
最後にレーザー治療後の色素沈着に効果的な治療法についてまとめました。レーザー治療後の色素沈着でお悩みの場合には、参考にしてください。
ハイドロキノン | |
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効果 | 色素沈着の原因となるメラノサイトの働きを抑え、シミを薄くする |
おすすめな人 | メラノサイトの働きを内側から抑えたい |
期間 | 半年〜1年程度 |
金額 |
レチノイン酸 | |
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効果 | 古い角質と一緒にメラニン色素を皮膚表面に押し出し排出する |
おすすめな人 | 色素沈着のほか、過剰な皮脂や小じわなどを改善したい |
期間 | 半年〜1年程度 |
金額 |
ビタミンC | |
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効果 | メラニン色素の生成量を抑え、シミを抑制する |
おすすめな人 | 副作用やダウンタイムなく自然に色素沈着を改善したい |
期間 | 半年〜1年程度 |
金額 |
ケミカルピーリング | |
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効果 | 皮膚表面に酸性の液体を塗布し、古くなった角質と一緒にメラニン色素を取り除く |
おすすめな人 | 色素沈着のほか、ニキビやニキビ跡、くすみ、たるみを改善したい |
期間 | 個々の状態により異なる |
金額 | 全顔:12,000円/回 |
ピコレーザー | |
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効果 | 皮膚に溜まったメラニン色素を破壊する コラーゲンの生成を促す |
おすすめな人 | 色素沈着のほか、毛穴の開きやたるみ、くすみを改善したい |
期間 | 2ヶ月〜半年 |
金額 | ・初回価格 ピコトーニング:100,00円 ピコフラクショナル:25,000円 ・コース 10個まで(全顔):29,800円v 無制限:98,000円 ・全顔コース ピコトーニング1回:20,000円 ピコフラクショナル1回:50,000円 |
レーザー治療の色素沈着からのお肌の回復段階に応じて、時期によってはピーリング治療、レーザーシャワーなどが有効です。悩まれている方は、ぜひ、一度ご相談ください!
よくあるQA
ここではレーザー治療後の炎症後色素沈着についてよくある質問を紹介します。
Q.炎症後色素沈着は、レーザー治療後どのくらいで見られますか?
炎症後色素沈着は、レーザー治療から2〜3週間後に見られることがあります。しかしレーザー治療を受けたからといって必ずしも色素沈着を起こすわけではありません。
また、万が一レーザー治療後に色素沈着を起こしてしまっても、多くの場合数ヶ月〜1年程度で自然に消失します。
炎症後色素沈着の悪化を防ぎ、なるべく早く改善したいという場合には、クリニックで塗り薬や内服薬を処方してもらうほか、色素沈着に有効とされる施術を検討してみても良いかもしれません。
Q.レーザー治療で色素沈着を防ぐためにはどうしたら良いですか?
従来のレーザー治療では、レーザーを照射し、熱を発生させることでシミの原因となるメラニン色素を破壊していました。この時に生じる炎症が色素沈着を引き起こしてしまうこともあります。
しかし、当クリニックでも扱っているピコレーザーは、超短時間でのレーザー照射を可能にしているため、肌への熱刺激がほとんどなく、炎症後色素沈着を起こしにくいとされています。
レーザー治療を希望しているけど施術後の色素沈着を予防したいとお考えの場合には、ピコレーザーでの治療をおすすめします。
1番気をつけていきたいところですこの症状が出ると、一時的に嫌な気持ちになりますが、必ず治っていきますので、ぜひご相談ください。一緒に頑張って乗り越えていきましょう!