お肌は年を重ねるにつれて老化していきます。
例えばシミだったら、高価な化粧水を使ったり、マッサージをしたり、エステに通ったり様々なケアをしているにも関わらず徐々に増えたり、濃くなってきたりしませんか?
メイクで隠せる内はまだいいのですが、だんだん隠せなくなったり、メイクを濃くしなければならなくなったりすることで顔の印象は一気に変わります。
どうしても老けて見えてしまうのは避けられません。
でも、もし原因と対策が分かり、なくすことができるとしたら嬉しくありませんか??今回はそんなお肌のシミ、くすみ、ニキビ跡、そばかすについて知っていきましょう。
専門科目:皮膚科/美容皮膚科。北海道大学精神医学教室、北海道大学救急医学教室、東京慈恵医大救急医学教室にて修練を重ねた経験をもつ。また、銀座にて美容皮膚科医として、都内皮膚科クリニックにて、皮膚科医としての勤務経験をもつ。
そもそもシミ、くすみ、ニキビ跡、そばかすは何故できるの??
シミ、くすみ、ニキビ跡、そばかすっていつの間にかできているものですよね。原因を探っていく前に、お肌のことをお伝えします。
お肌は、表皮、真皮、皮下組織の3つで成り立っています。皮下組織で作られたお肌が真皮、表皮と下から上に上がってきて、角質層という私達が普段見ている部分になり、最後に垢になって剥がれ落ち、また新しくできた組織が表面にできることで、お肌は成り立っています。このように、古い組織と新しい組織が入れ替わっていくことをターンオーバーと呼びます。ターンオーバーは通常28日です。つまりお肌は28日周期で本来は生まれ変わりますので、シミ、くすみ、ニキビ跡、そばかすができたとしても28日後には垢となってなくなるはずなのですが、このターンオーバーが正常に働かなくなり周期が乱れてしまうと垢となることができなくなり、例えば色素沈着という形で「シミ」「くすみ」「そばかす」になってしまったり、ニキビ跡のでこぼこが治らなかったりしてしまうのです。ターンオーバーが乱れてしまう理由は様々ですが、例えば紫外線を長年浴び続けていると皮膚の再生能力が低下してしまうことや、タバコやストレスによって体内にある活性酸素が同じく体にある抗酸化防御機構の処理能力よりも多く産生されてしまうと周期が乱れてしまう原因になります。
また、ターンオーバーが正常だとしても、一般的に紫外線から肌を守ると言われている「メラニン」が、過剰な紫外線やホルモンバランスの崩れ等で過剰に生成されてしまうとシミ、くすみ、そばかす、の原因になってしまいます。
これはとても厄介な問題で、「メラニンを沢山作れ!」という指令が出続けてしまうとターンオーバーがされたとしてもメラニンの過剰生成は止まりませんので、シミが消えずにずっとお肌に残ってしまうことがあるのです。
なので、シミ、くすみ、ニキビ跡、そばかすを作らないようにするには
①ターンオーバーを正常にすること
②メラニンを作りすぎないようにすることが大切です。
① ターンオーバーを正常にするにはどうしたらいいの??
ではターンオーバーを正常にするには、どうしたら良いのでしょうか?
これはズバリ!スキンケアが大切です。
顔は一日中、紫外線や汚れにさらされています。
まずはその一日頑張ってくれたお肌のメイクを落とし、洗顔もしてください。
そうすることで汚れや紫外線によって硬化している肌をきれいにして、スキンケアがきちんとお肌に入る準備ができます。
その後は化粧水をたっぷり付けます。スキンケアの中で一番大切なのは化粧水です。お肌が硬化してしまうのも水分不足が原因なので、たっぷり含ませてあげましょう。お肌がオイリーな方もドライな方も化粧水をたっぷり付けることで改善が期待できます。
またその後にしっかりと美容液を染み込ませ、乳液で保湿をしてあげたらスキンケアはバッチリです。
これを朝のお化粧をする前と、帰ってきてからお風呂の後に必ずすることで、お肌のターンオーバーが整っていきます。少し面倒なときもあるかもしれませんが、毎日のケアがとても大切です!
② メラニンを作りすぎないようにできるの??
メラニンは本来紫外線から肌を守ってくれる成分なのですが、作りすぎてしまうとシミ、そばかす、くすみになってしまうことがあります。そのため日焼け止めを塗ったり、帽子や日傘でできるだけ日に当たらない様にすることで、メラニンの生成を抑えることができます。またメラニンは傷やニキビの炎症から生成されることもあるので、あまりニキビや傷をいじったりしないことも大切です。
出来てしまったシミ、くすみ、ニキビ跡、そばかすはどうしたらいいの??
原因や対策は分かったけれども、今あるシミはどうしたらいいの?という方もいらっしゃると思います。
その場合には、メイクで隠してしまうか、時間をかけて治すか、思い切って消すという方法があります。
メイクで隠す方法
コンシーラーで上から隠してしまう方法です。こちらはとても簡単ですが、シミなどが濃くなってきたり大きくなってきたりするとなかなか大変だったりします。
治す方法
ビタミンCなどのシミに有効な成分が配合されているクリームや美容液を塗り治していく方法です。
こちらは有効な場合もありますが、いきなり消えることはなく毎日ケアしていく間に徐々に薄れていくという方法です。薄いシミには有効な場合がありますが肝斑や炎症性のシミには効かないことが多いかもしれません。
消す方法
もう一つの方法、それは「消してしまう」という医療の力を借りた治療です。
「光レーザー」をシミにあてると、大きさや濃さにもよりますが、
シミ、くすみ、そばかす、メラニン由来のニキビ跡に効果を期待できます。肌の内部にあるシミや痣などの沈着しているメラニン色素、つまりシミの原因そのものを破壊してくれます。
肝斑や炎症性の色素沈着の場合、クリームや美容液を塗ったくらいでは消せなかったようなものでも、「光レーザー」で治療することができます。
また治療もそんなに時間がかかるものではない為、気軽に、気になったときにできるのも嬉しいですね。
さて、今までの主流のレーザーといえば「Qスイッチレーザー」というもので、メラニンを熱で破壊するものでしたが、最近では技術が進化して「ピコシェア」というレーザーがあります。今までのQスイッチレーザーは照射時間が「1秒の1億分の1」ととても短いのですが、熱でメラニンを破壊するためどうしてもお肌にダメージがあり、施術後にはかさぶたになってしまうということがありました。そのため、ダウンタイムが施術後約10日間もあったのです。
ピコシェアの場合、さらに短い「1秒の1兆分の1」という時間で照射する上、熱ではなく衝撃波でメラニンを破壊するため、今までよりもお肌へのダメージが少なく、ずっと細かくメラニンを破壊することができます。照射後に赤みが少し出るのですが、こちらも24時間~48時間ほどで目立たなくなってくる場合が多いという大変メリットの大きいレーザーです。
都内では安く施術を受けることもできるようなので、悩んでいる方は一度相談してみるのもいいかもしれませんね。
最後に、レーザーでシミを治療した後もターンオーバーを正常にすることはとても大切なので、陽を浴びすぎないようにして、日ごろのケアは続けてくださいね!