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HIFU?いろいろできるみたいだけど・・・何ができるの?後編

公開 2019年11月11日
更新

巷でよく見るHIFU。前々回でHIFUの原理を簡単にご説明し、前回ではHIFUでできることの中で特にシワ・タルミ・毛穴の開き・ほうれい線についてご紹介しました。今回は、HIFUが「すごい」といわれるそのワケ、その真相を追求していきたいと思います。

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MBC・麻布十番 院長
立花 義浩
監修者

専門科目:皮膚科/美容皮膚科。北海道大学精神医学教室、北海道大学救急医学教室、東京慈恵医大救急医学教室にて修練を重ねた経験をもつ。また、銀座にて美容皮膚科医として、都内皮膚科クリニックにて、皮膚科医としての勤務経験をもつ。

おさらいになってしまいますが、HIFUは美容機器の中でもレーザーを利用するのではなく、超音波を利用した美容医療技術です。超音波は人には聞こえませんが、音と同じ原理です。例えば音が聞こえるとき私たちの鼓膜は振動し、それを私たちは音として認識をします。超音波も同じで、超音波は振動を引き起こします。そして、この振動は熱を発生させるということでした。この熱を適切に与えることによってコラーゲンの産生を促す為のダメージを「敢えて」加えてコラーゲンを増幅させるというのがHIFUの原理でした。

例えば、お肌の表面に近い「真皮層」にふくまれる組織に熱を与えることによってダメージを受けた組織は、修復をしようとしてコラーゲンの産生量が増えていきます。内部からコラーゲンを物理的に増やすことによって、シワ・タルミ・毛穴の開き・ほうれい線などの表層の問題に効果的にアプローチできるというのが前回のお話でした。

さて、前回も少し触れましたが、ここまでは実はHIFUではなくてもヒアルロン酸注入、糸によるリフトアップ、レーザーなどでも解決できるのです。

ではなぜHIFUがすごいのか。インスタグラム等のSNSでもHIFUのハッシュタグは伸びてきています。医療クリニックのみならず一般ユーザーからも認知度があがってきているHIFUの何がすごいのか。単純です。「今まで出来なかったことができる」美容医療技術なのです。

ヒアルロン酸注入、糸によるリフトアップ、レーザーなどの美容医療は登場してから時間がたっていますよね。もしかしたら読者の中には既にこういった施術を経験されていて、「いや~確かによくはなるけど・・・そもそも、最近何となく全体的に垂れてきている・・・」という方もいらっしゃるのではないでしょうか??

表面的にはプリプリだけど、全体的に垂れてきている。

プリプリでも、垂れていると悲しいですよね。このやっかいな「たるみ」、実は加齢が大きな原因です。年を重ねると人生経験が豊富になり、若いころよりも賢くなり、酸いも甘いも経験し人間的に成熟します。とても魅力的になる一方で、顔はたるんでしまう。。。

この大きな問題を解決するために、今まであった唯一の治療法は、「手術」でした。
簡単にご説明すれば、つまり、顔のお肉がのっかっている土台の部分を引き上げる。こういったフェイスリフト手術しか方法がなかったのです。

フェイスリフト手術は簡単に説明すると、お顔にメスを入れて、顔の中で剥離(組織同士を引きはがす操作)を行い、かつ現在の状態を保つために存在している靭帯などを切断し、「土台」ごと皮膚を引き上げる手術です。こう聞くと、手術というものは怖いという印象がありますよね。でも、文字通り、「手」の「術」ですから、上手なドクターにかかれば即効性もあり大変有効であることは間違いのない事実です。傷跡も目立たないように細心の注意を払っているドクターも沢山いらっしゃいます。

それでも、心理的なハードルは高い、という方がとても多かった中でさっそうと登場した革新的な美容医療技術がHIFUなのです。手術の説明の中で、印象として「相当奥深くまで切って剥離して引っ張り上げる」ということがお分かりいただけたと思いますが、キーワードは「土台」という部分なのです。さて、「土台」とは何なのでしょうか?

肌の断面図

さて、毎度おなじみの下記お肌の断面図をご覧ください。

お肌の表面に見える表皮。コラーゲンなどの成分が豊富な真皮。そして、SMAS。これが「土台」です。ここに到達して、たるみを元から直すためには手術しか方法がなかったのですが、HIFUは切らずにここにアプローチすることが出来るのです。

さて、先ほど手術の説明をしたときに「手」の「術」という話を織り交ぜました。つまり、手術は人の「腕」によって効果に差が出るということです。HIFUはどうなのかと気になる方もいらっしゃると思います。ここについても効果を標準化するため、つまり極力術者の「腕」に左右されないようにカートリッジを使用し、どのくらいの深さに熱を与えるのか決めることが可能です。

まとめ

さて、前回、前々回に続き今回は最近よく耳にするHIFUという美容医療技術のご紹介と、解決できるお悩みや方法についてご紹介してきました。ご存じとは思いますが、最近多くのクリニックやエステでHIFUを取り入れてきています。今まで侵襲的な方法(手術)でしかアプローチできなかった場所(SMAS)に、非常に短いダウンタイムでアプローチすることが可能ということもあり、手術はすこしハードルが高いと思っていた人たちのお悩みを解決できると導入する施設が大変多いです。

しかし、いかにHIFUという技術が素晴らしいとはいえ、超音波で熱を発生させるという原理を念頭においてクリニック選びをしていただきたいと思います。この原理は「シワがなくなる!毛穴縮小ができる!きらなくてもリフトアップ!ほうれい線がなくなる!」などという効果と違い地味な部分ではありますがとても重要だと考えています。超音波で熱を加えダメージを与えて修復をさせるというこの根幹部分を理解せずに選んでしまうのではなく、しっかりと理解をしていただきたかったというのがこの3回にわたる記事の大きな目的です。

理解していただきたかった理由は2つあります。ひとつは美容医療の施術前に行われるカウンセリングの理解が深まるということ。そうすればより具体的に、より安心して施術を受けて頂けるのではないでしょうか?もうひとつは、レーザーなどの歴史が古い美容医療にも共通することではありますが、熱を発生させる以上、絶対に何があっても安全な施術ではないということです。従って医療機関以外での施術はおすすめできません。必要な部分以外、また過度にダメージを与えてしまうというリスクがあります。

さらに言えば、美容医療だけではなく、皮膚に詳しいクリニックがさらに安心でしょう。MBクリニックであれば皮膚科併設でアフターフォローも安心の体制を整えていますので、HIFUだけではなく様々な美についてのお悩み、お肌についてのお悩みをご相談いただけると思います。