「老化が気になり始めた」という方におすすめなのが「NMN点滴療法」です。最近、美容雑誌などでも取り上げられているので目にしたことがあるのではないでしょうか。
しかし「NMNってなに？どんな治療法？」と不安に思っていて、なかなか治療に踏み切れない方がいるようです。
「若返りの薬」と呼ばれるNMNは、老化によって起こる身体のさまざまな症状を改善するとして世界中で注目されている成分です。
この記事では、NMN点滴療法について効果や摂取方法、副作用についても詳しく解説しています。
聖マリアンナ医科大学医学部付属病院皮膚科、聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院皮膚科にて勤務したのち、医療法人社団奏愛会 おおふな皮膚科など皮膚科クリニックにて研鑽を重ね当クリニックにて勤務。
NMN点滴療法とは？
NMN点滴療法は、若返り効果が期待できる治療法としてさまざまなクリニックで導入されています。ハーバード大学医学部の研究によって発見された「次世代のアンチエイジング療法」としても知られています。
NMNとは、ニコチンアミドモノヌクレオチドと呼ばれる成分の略です。NMNは、もともと私たちの体内で自然に作られているビタミンに似た成分で、体のさまざまな臓器や組織を修復する役割を担っています。
NMNはなぜ、若返りに効果的なのでしょうか。ここでは、NMNについてもう少し詳しく解説していきます。
NMNと老化の仕組み
老化により体内のNMNは減少していきます。NMNが減少することで、身体機能や認知機能が低下すると考えられています。
NMNは体の中に入ると、補酵素「NAD」という物質に変換されます。NADとは、人が生きていく上で不可欠なエネルギーを産生するために必要な物質です。
エネルギー産生量が低下すると、動脈硬化や臓器の機能低下などのさまざまな老化関連疾患が引き起こされ、健康に大きな影響を及ぼします。
また、NADは老化の抑制や寿命を向上させると言われている「サーチュイン遺伝子」を活性化する重要な役割を持っている遺伝子です。別名「長寿遺伝子」や「抗老化遺伝子」とも呼ばれています。
サーチュイン遺伝子は、肌細胞や体力疲労などの身体機能や認知機能を改善して若返り効果が期待できる物質です。
サーチュイン遺伝子が関与すると言われている疾患の一部をご紹介します。
・認知機能低下
・視力低下
・免疫不全と自己免疫疾患
・脂肪肝
・不妊
・難聴
・運動機能障害
・心血管疾患
・糖尿病
・腎疾患
・肥満
つまり、老化を防ぐにはNADを増やすことが必要になってきます。実は、NMNは50代後半になると、若い時の半分にまで減ると言われているのです。
老化で減少したNMNを体内に摂取することで、NDAを増やし若返り効果をもたらします。
NMN点滴療法はこんな人におすすめ
加齢による肌の衰えや体力の低下を実感し始めた方は、下記のような症状があるのではないでしょうか。NMN点滴は、これらの症状がある方におすすめです。
・肌のハリやツヤがなくなってきた
・シミが増えてきた
・シワやたるみが気になる
・最近疲れやすくなった
・熟睡できない
・集中力がなくなった
・血糖値が高い
・眼精疲労がとれない
NMN点滴療法の効果
NMN点滴療法は「肌トラブルの改善」「身体の若返り効果・老化予防」「身体機能の改善や病気の予防」への効果が期待できます。
【肌トラブルの改善】
・シミやシワが薄くなる
・たるみの改善
・キメの整ったハリとツヤのある肌に改善
【身体の若返り効果・老化予防】
・体力が回復しやすくなる
・熟睡できるようになる
・集中力が良くなる
【身体機能の改善や病気の予防】
・認知症
・糖尿病
・眼疾患
・心血疾患（動脈硬化・心筋など）
・免疫機能の向上
・動脈硬化の予防
・代謝改善
・肥満予防
点滴以外のNMNの摂取方法
NMN点滴はクリニックでしか受けられませんが、点滴以外に自分でNMNを摂取することも可能です。ここでは、自分でNMNを摂取できる3つの方法をご紹介します。それぞれの特徴やNMN点滴との違いについて見ていきましょう。
肌からNMNを補う
シートマスクや美容液など、さまざまな製品にNMN成分が使われ始めています。NMN点滴にプラスして、これらの製品を使って肌からNMNを補うことも見た目改善に効果的でしょう。
NMNが含まれている食物から摂取する
例えば、点滴と同じ100mgのNMNをブロッコリーで摂取する場合、40kg（2,000房）食べることになります。
NMNが含まれている野菜を毎日多く取ることは老化の抑制や生活習慣病を防ぐことにつながります。ただ、食物からNMN点滴のように100mg以上のNMNを効果的に摂取することは現実的に難しいでしょう。
サプリメントから摂取する
サプリメントのメリットは、手軽にどこででも摂取できるということです。1カプセルに含まれているNMNは100mgと一見すると多いように思いますが、点滴と比べると実際に吸収できるNMNの量が少なくNMNを吸収するスピードも遅くなります。
なぜなら、錠剤やカプセルなどは口から飲むため、血液に成分が届くまで時間がかかるからです。また成分が小腸で吸収されるため、得られる効果が少なくなります。
NMNの摂取方法を挙げてきましたが、NMNを効果的に摂取できるのは点滴です。点滴はサプリメントに比べて、血管に直接成分を入れるため高濃度のまま吸収され、全身に早く成分が届き効果が早く発揮されます。
NMNを最も効果的に摂取するなら点滴がおすすめですが、費用の面や忙しくて定期的に通うのが困難な方は、点滴とサプリメントを併用するという方法もあります。
NMN点滴の効果が出る時期と持続期間
NMN点滴の成分や効果について解説してきましたが、どのくらいで効果を実感することができるのか気になるでしょう。
NMN点滴療法は1回の治療でも何らかの効果を感じますが、劇的な効果をすぐに実感できるという治療ではありません。定期的にNMN点滴を受けることで、肌トラブルの改善やアンチエイジング、疲労回復などの効果を感じることができます。
1回のNMN点滴の摂取量の目安は100〜200mgです。点滴にかかる時間は約15〜30分なので定期的に通うのに負担に感じない程度の時間と言えるでしょう。
また、治療を受ける頻度はクリニックによって多少の違いがありますが、1〜4週間に1回を3〜6ヵ月ほど継続すると効果*が現れると言われています。NMN点滴の効果を持続するには、継続して治療を受けることがおすすめです。
NMNは50代になるとかなり減少するとお伝えしました。では実際にNMN点滴は何歳くらいから受けると良いのでしょうか。
NMNの減り方は人によって違いはありますが、抗老化という面から考えると30代くらいから受け始めるのが理想的と言えるでしょう。
*効果には個人差があります。
NMN点滴は危険？副作用も事前に確認
NMN点滴療法は新しい治療法なので、副作用を不安に思っている方もいるのではないでしょうか。NMN点滴は大きな副作用はないとされていますが、下記の症状が出る場合があります。
・点滴の際の血管痛
・赤みや発疹
これらの症状は数日で落ち着きます。また、血管痛は全ての点滴治療に起こりうる症状なのでNMN点滴に限ったことではありません。副作用を見てもNMN点滴はけっして危険な治療ではないと言えるでしょう。
※副作用には個人差があるので全ての方に症状が出るわけではありません。
NMN点滴療法を受けられない方
NMN点滴は受けることができない方がいます。
・妊娠中の方、授乳中の方
・腫瘍性の病気がある方
NMN点滴を受ける前に、自分の体質や副作用について医師に相談することをおすすめします。
NMN点滴の相場
NMN点滴の相場は投与する量によって違いますが、100mgの投与1回で30,000〜50,000円です。また、NMN治療は自由診療のため保険適用されません。定期的に治療を受ける場合、費用は高額になってくるでしょう。
ただし、ほとんどのクリニックで、複数回分をセットにしてまとめて支払うと1回の費用より安くなるような料金設定になっています。
MBC・麻布十番(皮膚科・美容皮膚科)では1回55,000円（税込）ですが、6回分をまとめて支払うと1回の費用が46,750円（税込）12回分まとめて支払うと1回の費用が44,000円（税込）となり割安です。
継続的に治療を受けようと考えている場合は、最初にまとめて支払うことでお得にNMN点滴を受けられます。
クリニックによって費用に幅があるので、気になるクリニックの費用を比較してみると良いでしょう。
NMN点滴でエイジングケアを
人は年齢を重ねていくと老化によって肌や体が衰えていきます。しかし、できることならいつまでも健康で若々しくいたいと願うのではないでしょうか。
NMN点滴療法は、エイジングケアのための新しい治療法です。NMNの摂取方法はさまざまですが、効果を実感したいなら点滴療法を選ぶことをおすすめします。
肌トラブルの改善だけでなく、病気の予防や健康維持に効果が期待できるNMN点滴は、健康的な生活を送るための手助けとなるでしょう。
医療は日々進化しています。いつまでも若々しい自分でいるために、NMN点滴でエイジングケアをはじめてみませんか。
