ここ数年、次世代のヒアルロン酸として注目されているのが「スネコス」と「プロファイロ」です。肌を内側から若返らせてシワやたるみを根本的に改善する注入剤として、多くのクリニックで使われています。
スネコスとプロファイロの違いがわからないため、どちらの治療を受けようか悩む方が多いのではないでしょうか。スネコスとプロファイロにはそれぞれに適した症状があり、自分の悩みに合った方を選ぶのがおすすめです。
この記事では、スネコスとプロファイロがもつ特徴や効果、料金などについて詳しく解説します。どちらの治療が自分に合っているのか知りたい方は、ぜひ参考にしてください。
聖マリアンナ医科大学医学部付属病院皮膚科、聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院皮膚科にて勤務したのち、医療法人社団奏愛会 おおふな皮膚科など皮膚科クリニックにて研鑽を重ね当クリニックにて勤務。
スネコスは部分的なシワやクマ、プロファイロは広範囲のシワにおすすめ
スネコスとプロファイロは、肌を内側から育てて若返らせる注入剤です。どちらも肌のシワやたるみの改善に効果的ですが、スネコスは部分的なシワや目の下のクマ、プロファイロは顔全体といった広範囲のシワに向いています。
スイーツで例えるなら、ショートケーキが乾燥した際に表面にできる細かなシワを滑らかにするには「スネコス」、スポンジ部分に膨らみを与えるには「プロファイロ」が適しているというイメージです。
【スネコスに向いている人】
・目元のシワが気になる
・肌のハリ・潤いがほしい
・目の下のクマが気になる
・口元のシワが目立ってきた
【プロファイロに向いている人】
・コケた頬が気になる
・顔全体にハリ・弾力がほしい
・シワ・たるみを改善したい
・ほうれい線が気になる
従来のヒアルロン酸は皮膚を持ち上げてボリュームを出しますが、スネコスとプロファイロは肌細胞を再生させることで弾力のある肌に導きます。
シワ、ハリ、クマに効果的 スネコスとは
スネコスは、エイジングケアのために生まれたイタリア製の注入剤です。スネコスの主成分は、非架橋の低分子ヒアルロン酸と6種のアミノ酸を主成分としています。国際特許取得の特殊な比率で構成されているのが特徴です。
ヒアルロン酸だけでなく複数のアミノ酸が配合されることで、コラーゲンやエラスチンを生成する繊維芽細胞を刺激し、肌のシワやたるみを改善してハリとツヤのある美肌に導いてくれます。
【6種のアミノ酸】
・グリシン 肌の弾力とハリを保つ
・L-プロリン 保湿成分
・L-リジン タンパク質の合成を促進
・L-アラニン 皮膚に柔らかさと弾力を与える
・L-バリン タンパク質の合成を促進
・L-ロイシン 保湿成分
ヒアルロン酸はもともと体内で吸収される性質を持っていますが、早く吸収されると肌のシワやたるみの改善効果が期待できません。そのため従来のヒアルロン酸では、吸収されるのを遅らせる「架橋」というヒアルロン酸同士を結びつけるような加工がされています。
スネコスは架橋されていないヒアルロン酸のため、サラサラしていて自然な肌に仕上がるのが特徴です。さらに、ヒアルロン酸注入で起こる可能性がある「血管閉塞」といった合併症のリスクが低くなるため、安全性の面でも安心できます。
スネコスには分子量が異なる2種類のタイプがあり、注入する箇所やシワの程度に合わせて使い分けたり、2種類を併せて使用したりします。
従来のヒアルロン酸やボトックスでは施術することが難しかった箇所に注入することが可能です。治療が難しいといわれている「青クマ」や「黒クマ」の改善にも効果を発揮します。特に目の下のクマが気になるという方はスネコス注射がおすすめです。
スネコス注射についてさらに詳しく知りたい方は「スネコス注射の効果/持続期間/回数は?ヒアルロン酸よりリスク低い?」もチェックしてみてください。
シワ、たるみ、ほうれい線に効果的 プロファイロとは
顔全体に均等になるよう複数箇所に注入。肌全体の細胞を活性化させコラーゲンやエラスチンの生成を促進
プロファイロは、イタリアのIBSA社が開発した肌細胞を再生させるヒアルロン酸製剤*です。高分子ヒアルロン酸と低分子ヒアルロン酸が配合されており、次世代のハイブリッドヒアルロン酸といわれています。
肌の真皮層に働きかけ、コラーゲン・エラスチンの産生の促進と脂肪細胞や角化細胞が活性化することで傷ついた組織をリモデリング(再構築)し、根本的な肌の若返りを目指すことができる再生医療治療です。
肌の土台を修復するので、肌全体の弾力を回復させて自然なリフトアップ効果を得ることができます。加齢によるシワやたるみ、ほうれい線などの改善に効果的です。肌本来のボリュームや肌質を維持することができるでしょう。
高分子ヒアルロン酸の効果 | 低分子ヒアルロン酸の効果 |
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細胞外マトリックス*内に配置され、細胞の誇張と効果の持続をもたらします。 *細胞を取り巻く環境のこと |
ヒアルロン酸の産生を増加させ、深部の水分が増加します。 |
高分子ヒアルロン酸の効果 |
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細胞外マトリックス*内に配置され、細胞の誇張と効果の持続をもたらします。 *細胞を取り巻く環境のこと |
低分子ヒアルロン酸の効果 |
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ヒアルロン酸の産生を増加させ、深部の水分が増加します。 |
プロファイロは基本的に注入する箇所が決まっていることと、注入する箇所が少なくてよいため、施術時間が短いのが特徴です。顔だと左右で10箇所、首も10箇所注入するだけで、自然と浸透・拡散されて顔や首全体に効果を得ることができます。
少し硬めのヒアルロン酸製剤のため、施術後は若干盛り上がりが気になることもあるようです。ただし注入する量が少なく、すぐに肌に吸収されるのでダウンタイムは短いといえるでしょう。施術回数は、初回の場合1ヶ月の間隔をあけて2回、その後は半年に1回受けることが推奨されています。
また2つのヒアルロン酸は、架橋ではなく特殊な熱処理により結合されているため、アレルギーのリスクが少ないのもメリットです。
*イタリアのIBSA社が特許取得した熱処理法「NAHYCO(ハイブリッド技術)」によって製造された超高純度のヒアルロン酸です。世界80カ国以上で導入されており、優れたエイジングケアとして評価を得ています。
プロファイロについてさらに詳しく知りたい方は「プロファイロの効果/回数/持続期間を紹介!他の治療法とのコスパ比較」もチェックしてみてください。
スネコスとプロファイロを徹底比較!成分から頻度、料金まで
ここでは、スネコスとプロファイロの違いをわかりやすく表にして比較しました。それぞれの特徴や効果に加えて、ダウンタイムや料金などについてもみていきましょう。
スネコス | プロファイロ | |
---|---|---|
主成分 | 非架橋ヒアルロン酸・6種のアミノ酸 | 熱処理によって高分子と低分子のヒアルロン酸を結合させた、非架橋ハイブリッドヒアルロン酸 |
作用 | コラーゲン、エラスチンの産生の促進細胞外マトリックスをリモデリング(再構築)し、真皮層の組織を回復させる | 線維芽細胞を刺激し、コラーゲンやエラスチンの産生を促進する 脂肪細胞と角化細胞の活性化 |
効果 | シワ・たるみ改善(部分的) 肌のハリ・ツヤ クマ 美肌効果 リフトアップ |
シワ・たるみ改善(広範囲) 肌のハリ・ツヤ ほうれい線 頬のコケ改善 リフト・ボリュームアップ |
注入箇所 | 目の下やまぶたなど、どの箇所にも注入することができる | 注入箇所が決まっている 顔・首 それぞれ基本10箇所ずつ |
注入頻度 | 顔全体 7〜10日おきに4回程度 目元 2週間おきに3回程度 その後月1回のペースでメンテナンス |
初回の場合1ヶ月の間隔をあけて2回 その後半年に1回メンテナンス |
ダウンタイム | 赤みや腫れ、痛みが出る可能性がある ※2~3日程度でおさまる まれに内出血を引き起こすことがある ※1~2週間でおさまる |
赤みや腫れ、むくみが出ることがある ※数時間~1日程度でおさまる 若干盛り上がりが気になることもある ※2~3日でおさまる まれに内出血を引き起こすことがある ※1~2週間でおさまる |
料金 (相場) |
1回 55,000円~77,000円 1クール(4回コース) 180,000円~198,000円 |
1回 120,000円~180,000円 1クール(2回セット) 220,000円~300,000円 |
スネコス | |
---|---|
主成分 | 非架橋ヒアルロン酸・6種のアミノ酸 |
作用 | コラーゲン、エラスチンの産生の促進細胞外マトリックスをリモデリング(再構築)し、真皮層の組織を回復させる |
効果 | シワ・たるみ改善(部分的) 肌のハリ・ツヤ クマ 美肌効果 リフトアップ |
注入箇所 | 目の下やまぶたなど、どの箇所にも注入することができる |
注入頻度 | 顔全体 7〜10日おきに4回程度 目元 2週間おきに3回程度 その後月1回のペースでメンテナンス |
ダウンタイム | 赤みや腫れ、痛みが出る可能性がある ※2~3日程度でおさまる まれに内出血を引き起こすことがある ※1~2週間でおさまる |
料金 (相場) |
1回 55,000円~77,000円 1クール(4回コース) 180,000円~198,000円 |
プロファイロ | |
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主成分 | 熱処理によって高分子と低分子のヒアルロン酸を結合させた、非架橋ハイブリッドヒアルロン酸 |
作用 | 線維芽細胞を刺激し、コラーゲンやエラスチンの産生を促進する 脂肪細胞と角化細胞の活性化 |
効果 | シワ・たるみ改善(広範囲) 肌のハリ・ツヤ ほうれい線 頬のコケ改善 リフト・ボリュームアップ |
注入箇所 | 注入箇所が決まっている 顔・首 それぞれ基本10箇所ずつ |
注入頻度 | 初回の場合1ヶ月の間隔をあけて2回 その後半年に1回メンテナンス |
ダウンタイム | 赤みや腫れ、むくみが出ることがある ※数時間~1日程度でおさまる 若干盛り上がりが気になることもある ※2~3日でおさまる まれに内出血を引き起こすことがある ※1~2週間でおさまる |
料金 (相場) |
1回 120,000円~180,000円 1クール(2回セット) 220,000円~300,000円 |
スネコスとプロファイロを比べてみると、どちらもシワ・たるみ改善に効果があるようですが、部分的ならスネコス、広範囲ならプロファイロが適しています。
また、スネコスは目の周りに注入できるのが特徴です。目の周りのシワやクマを改善するならスネコスですが、ほうれい線の深いシワには、肌の土台を修復してボリュームアップさせるプロファイロが向いています。
ダウンタイムはどちらも赤みや腫れが出ることがありますが、数日でおさまります。プロファイロの施術後の若干の盛り上がりも2〜3日程度で治まるようです。
1回あたりの料金を比較してみると、プロファイロはスネコスの2倍以上です。ただし、施術回数やメンテナンスの頻度はプロファイロの方が少なく、コスパが良いのはプロファイルだといえるでしょう。
MBC麻布十番では、スネコス1回55,000円(税込)、4回コース187,000円(モニター価格154,000円)で受けられます。プロファイロは、顔1クール(2回セット)178,000円(税込)でご用意しています。
あなたのお悩みにどの治療が向いているかは医師にご相談ください
スネコスとプロファイロは、肌細胞の再生を促進させて肌そのものを若返らせる治療です。従来のヒアルロン酸と違い、どちらも非架橋のヒアルロン酸のため、自然な仕上がりでエイジングケアをしたい方に向いています。
それぞれの効果には違いがあるため、自分の悩みに合った治療法を選ぶことが大切です。しかし、スネコスとプロファイロは効果が似ていることもあり、どちらの治療を選べば良いのか判断がつかない方もいるのではないでしょうか。
肌の症状は自分ではわからないこともあります。迷ったときはクリニックで医師に相談するのがおすすめです。自分の肌の悩みや状態をしっかり伝えて最適な治療を提案してもらいましょう。