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エキシマライト(光線療法)とは?適用症状、期間、料金まで徹底解説

公開 2023年5月30日
更新 2024年4月7日

皮膚疾患の治療法の一つに、紫外線を照射する”光線治療”があります。光線療法は皮膚表面の免疫の異常が関わっている皮膚疾患に効果的な治療です。これまで改善が難しかった乾癬、円形脱毛症、尋常性白斑、掌蹠膿疱症、アトピー性皮膚炎などの難治性の皮膚疾患にも効果が認められており、保険適用されています。

エキシマライトは、光線治療の中でもより安全性が高く、治療期間も短くすむと注目されています。

この記事ではエキシマライトについて、効果のある疾患、治療期間、保険適用と料金まで解説します。なかなか治らない皮膚疾患でお悩みの方は、治療の選択肢の一つとして検討してみてください。

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MBC・麻布十番 院長
山崎 禮子
監修者

聖マリアンナ医科大学医学部付属病院皮膚科、聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院皮膚科にて勤務したのち、医療法人社団奏愛会 おおふな皮膚科など皮膚科クリニックにて研鑽を重ね当クリニックにて勤務。

高山 ゆり子
薬剤師/医療ライター
高山 ゆり子
ライター

薬学部を卒業後、薬剤師として調剤薬局に勤務。現在は薬局勤務のかたわら、WEBライターとしても活動。医療・健康分野で執筆を通して正確な知識と情報を届ける。YMAA認証マーク取得。

エキシマライトとは?

エキシマライトは、紫外線の「皮膚の免疫の働きを調整する作用」を利用したターゲット型光線療法です。皮膚炎、円形脱毛症、乾癬、白斑などに効果があります。
エキシマライトのようなターゲット型光線療法のメリットは、健常部位に照射せず、症状のある部分(ターゲット)にのみピンポイントで絞って、より強い光を照射できることです。体への影響が少なく、安全性の高い治療法と言えます。

他の光線治療(PUVA療法、ナローバンドUVB療法)との比較

PUVA療法は、長波長紫外線(UVA)を利用した治療方法です。以前広く行われていましたが、治療時間が長いことや、副作用による重度の日焼けを防止するために、治療後の生活に制限があるのが難点でした。

その後、反応が早い中波長紫外線(UVB)を照射する、ナローバンドUVB療法が主流となりました。ナローバンドUVB療法は効率的で安全性が高い治療法ですが、ピンポイント照射ができず、全身に紫外線を照射する必要がありました。

エキシマライトは安全性が高く、治療時間が短い

光線治療の波長範囲

そこで開発されたのがエキシマライトです。エキシマライトでは、有害な波長を取り除き、皮膚疾患の治療により高い効果が期待できる波長の中波紫外線(UVB)を照射します。

同じ中波長紫外線を利用するナローバンドUVB療法とは異なり、症状のある部分にピンポイントで照射することが可能になりました。また、高輝度な光を照射するため、照射時間は1箇所につき数秒~数十秒程度です。

ナローバンドUVBとエキシマライト

ナローバンドUVB療法に比べ照射時間はさらに短くなり、効果が出るまでの時間が早く、効果の持続期間も長いのが特徴です。
紫外線にさらされる時間も範囲も抑えられることから、体への影響が少なく、安全性が高いことが認められています。治療当日から入浴や洗顔も可能です。

エキシマライトの効果が期待できる皮膚疾患

エキシマライトは、塗り薬や従来の紫外線療法では改善しなかった難治性の皮膚疾患に効果が報告され、主に以下の皮膚疾患に対して有効とされています。

乾癬(尋常性乾癬、膿疱性乾癬)

乾癬は皮膚の表面の細胞が過剰に増殖する疾患です。
盛り上がった赤い発疹に、銀白色の鱗屑(りんせつ)と呼ばれる増殖した皮膚が付着し、フケのように剥がれ落ちます。
約半数以上でかゆみを伴い、刺激を受けやすい部位である頭・肘・膝・お尻に多く見られます。
原因は、皮膚細胞の増殖する速度が正常な皮膚と比べて10倍以上にもなる、免疫反応の異常です。
エキシマライトでは、皮膚細胞の異常な増殖を抑え、かゆみも軽減します。

尋常性白斑(じんしょうせいはくはん)

尋常性白斑は、皮膚の一部が白くなる後天性の色素異常症です。
正常な皮膚では、紫外線から皮膚を守るためにメラノサイト(色素細胞)がメラニン(色素)を合成します。しかしメラノサイトが、ストレスなどにより減少もしくは消失したり、自己免疫疾患により攻撃されたりすると、メラニンを合成できなくなります。これが皮膚の色が抜けしてしまう原因です。
エキシマライトの照射により、メラノサイトを攻撃するリンパ球の働きを抑え、さらに刺激することでメラニンを再生させ、色素を取り戻します。

掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)

掌蹠膿疱症は、手のひらや足の裏に膿がたまった水ぶくれ(膿疱)が数多くできる皮膚炎です。
最初は小さかった水疱が次第に膿疱へ変わり、その後は乾いてかさぶたとなって剥がれ落ちます。
症状は繰り返され、膿には菌が見られないことが特徴です。
発症には扁桃炎、副鼻腔炎、虫歯や歯周病などの感染症や、金属アレルギー、喫煙などとの関連が指摘されています。
エキシマライトで皮膚の過剰な免疫反応を抑え、かゆみの軽減、膿疱の消失が期待できます。

円形脱毛症

円形脱毛症は頭髪の一部が抜け落ちる自己免疫疾患です。
原因は血液成分の1つであるリンパ球が、発毛などに関わる毛包(もうほう)を異物と間違え、攻撃するためと考えられています。
症状は脱毛のみで、かゆみや痛みを伴うことはほとんどありません。
エキシマライトで毛包を刺激したり、リンパ球の働きを抑えたりすることで発毛を促します。

アトピー性皮膚炎

アトピー性皮膚炎は、強いかゆみを伴う湿疹が慢性的に繰り返される疾患です。
原因は、皮膚のバリア機能低下によりアレルギー反応が起こるためと考えられています。
また、ストレスも症状を悪化させることが指摘されていますが、原因はさまざまで個人差が大きいことが特徴です。
エキシマライトの照射でアレルギー反応を抑え、炎症とかゆみを軽減します。

●保険適用の疾患
乾癬(尋常性乾癬、膿疱性乾癬)、尋常性白斑、掌蹠膿疱症、円形脱毛症、アトピー性皮膚炎、類乾癬、慢性苔癬状粃糠疹、菌状息肉腫(症)、悪性リンパ腫

エキシマライトに副作用はある?使用する際の注意点

エキシマライトは少ない照射量から開始し、症状の経過を見ながら照射量を増やしていきます。
照射量が多くなると皮膚が赤くなり、火傷症状である色素沈着や水ぶくれを起こすことがありますが、これらの副作用は適切な処置で改善に向かいます。

また、以下に該当する方はエキシマライトによる治療を受けることができません。

  • ・光線過敏症のある方
  • ・妊娠中の方
  • ・皮膚がん、または過去に皮膚がんになったことがある方
  • ・ペースメーカーなど体内植え込み型医療機器を使用中の方
  • ・免疫抑制剤を使用中の方

エキシマライトの治療期間・頻度・金額

エキシマライトの治療期間は2ヶ月〜半年程度、治療頻度は週1~3回です。
通常5~10回目で効果を感じられる方が多く、効果を判定する照射回数の目安は30回程度です。

当院での治療料金

エキシマライトを保険適用で治療する場合の料金です。

自己負担割合 料金
3割負担 1,020円
2割負担 680円
1割負担 340円

照射する面積に関わらず料金は一律です。
上記のほかに、初診料または再診料、お薬代などが3割負担で1,000円~3,000円程度かかります。

エキシマライト以外の治療法

当院では皮膚疾患に関して、エキシマライト以外の治療も行っております。
エキシマライトと組み合わせることで、さらに効果を期待できる治療があります。
併用できない治療もありますので、詳しくはクリニックまでお問い合わせください。

疾患名 治療
乾癬 外用療法
・ステロイド外用剤
・ビタミンD3軟膏
・ステロイド・ビタミンD3混合軟膏
内服療法
・抗ヒスタミン剤
・レチノイド(ビタミンA誘導体)
・シクロスポリン(免疫抑制剤)
・アプレミラスト(オテズラ/PDE阻害剤)
注射療法
・生物学的製剤
尋常性白斑 外用療法
・ステロイド外用剤
・活性型ビタミンD3外用剤
・上記以外の外用剤
掌蹠膿疱症 外用療法
・ステロイド外用剤
・活性型ビタミンD3外用剤
内服療法
・ビタミンH製剤(ビオチン)
・抗菌剤
円形脱毛症 外用療法
・ステロイド外用剤
・フロジン液
内服療法
・グリチロン
・セファランチン
液体窒素療法
ステロイド局所注射療法
アトピー性皮膚炎 注射療法
・デュピクセント
外用療法
・ステロイド外用剤
・タクロリムス軟膏
・保湿剤
内服療法
・抗ヒスタミン剤
・抗アレルギー剤

エキシマライトに関するよくあるQA

エキシマライトに関してよくある質問にお答えします。

Q.エキシマライトは照射するときの痛みはありますか?

A.照射するときの痛みはありません。わずかに温かさを感じる程度です。 照射量を増やしていくと紅斑(皮膚の赤み)や色素沈着(日焼け)が起こることがあります。 これらは時間とともに軽快します。

Q.エキシマライトを受けた日に注意することはありますか?

入浴、洗顔は可能、日焼けは避ける

A.治療当日も普段通りの生活ができます。入浴、洗顔も可能です。 ただし、副作用を軽減するために過度の日焼けは避けてください。