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抗アレルギー薬とは?花粉症、湿疹、アレルギー症状への効果と特徴を解説

公開 2023年5月30日
更新 2024年4月7日

「湿疹をなんとかしたいけど、どんな薬を使ったらいいかわからない・・・」「抗アレルギー薬を使ってみたいけど、副作用が心配・・・」そんなお悩みはありませんか?
今回は、抗アレルギー薬の効果と特徴についてご紹介します。抗ヒスタミン薬との違いや抗アレルギー薬の副作用、使用上の注意点など、この記事を読めば、薬の知識がない人でも抗アレルギー薬がどのような薬かわかるでしょう。

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MBC・麻布十番 院長
山崎 禮子
監修者

聖マリアンナ医科大学医学部付属病院皮膚科、聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院皮膚科にて勤務したのち、医療法人社団奏愛会 おおふな皮膚科など皮膚科クリニックにて研鑽を重ね当クリニックにて勤務。

柏 あかり
薬剤師/医療ライター
柏 あかり
ライター

大新卒時よりドラッグストア薬剤師として調剤・OTCを幅広く経験。現在は医療ライターとして活動している。医療に関して、わかりやすく正確なコンテンツ作成を得意とする。

抗アレルギー薬とは?抗ヒスタミン薬とどう違う?

アレルギー症状があらわれるまで

私たちの体は普段、免疫というシステムによって異物の侵入から守られています。しかし、特定の物質(アレルゲン)に対して、免疫の働きが病的に作用してしまうことでアレルギーが起こります。湿疹・蕁麻疹(じんましん)といった皮膚症状の一部や花粉症はアレルギーが原因です。

このようなアレルギーに対して処方されるのが「抗アレルギー薬」です。ヒスタミンやロイコトリエンなど、アレルギーに関わる化学物質の生成や放出を抑えます。原因からアレルギーを治すことはできませんが、アレルギーによる鼻水やくしゃみ、皮膚のかゆみなどの症状を抑える働きがあります。
「抗ヒスタミン薬」は抗アレルギー薬の一つで、ヒスタミンの受容体をブロックすることによりアレルギー症状を抑える薬です。抗ヒスタミン薬は気管支喘息や蕁麻疹(じんましん)、湿疹や皮膚炎などのさまざまな病気に対して使われています。

抗アレルギー薬の種類と特徴

抗アレルギー薬は、ヒスタミンに関わる薬を含めて全部で4種類あります。それぞれの特徴を知っておきましょう。
抗アレルギー薬は飲み薬だけでなく、塗り薬や目薬、吸入薬として使われることもあります。また、一部の抗アレルギー薬には粉薬やシロップ剤があり、お子さんにも服用が可能です。

ヒスタミン関連薬

ヒスタミン関連薬は、ケミカルメディエーター遊離抑制薬と抗ヒスタミン薬の2種類があります。
ケミカルメディエーター遊離抑制薬は肥満細胞に働きかけ、ヒスタミンやロイコトリエンの放出を抑える薬です。気管支喘息やアトピー、アレルギー性鼻炎などの症状に対して使われます。飲み薬だけでなく目薬や点鼻薬、吸入薬としても使われるものもあります。

抗ヒスタミン薬は、ヒスタミンの受容体をブロックする薬です。気管支喘息や蕁麻疹(じんましん)、湿疹などさまざまな症状に対して使われます。一部の薬は飲み薬だけでなく注射薬や目薬、塗り薬として使用が可能です。

また、抗ヒスタミン薬は、開発された時期によって第一世代と第二世代の分類があります。第一世代の特徴は中枢神経の働きを抑える効果が強く、眠気や口の渇きなどの副作用が現れやすい点です。服用中は車の運転、機械の操作などはできません。
一方第二世代の薬は第一世代よりも中枢神経に影響を与えにくく、中には服用中の運転、機械の操作が禁止されていない薬もあります。

トロンボキサン関連薬

アレルギー反応にかかわるトロンボキサンという化学物質の働きを抑えることで抗アレルギー作用を示します。主に気管支喘息やアレルギー性鼻炎などの症状に使われる薬です。

ロイコトリエン関連薬

ロイコトリエンの働きを抑えることで抗アレルギー作用を示します。主に気管支喘息やアレルギー性結膜炎、アレルギー性鼻炎などの症状に使われる薬です。飲み薬のほか、目薬として使われるものもあります。

Th2サイトカイン関連薬

アレルギー反応にかかわるTh2細胞に働きかけ、抗アレルギー作用を示します。気管支喘息の長期的な管理やアレルギー性鼻炎、アトピーなどの症状に対して使われる薬です。

抗アレルギー薬を使用する病気|皮膚疾患にも効果的?

抗アレルギー薬は花粉症や気管支喘息のほか、皮膚疾患の症状を抑えるためにも使われています。ここでは抗アレルギー薬を使用する代表的な病気と、それぞれの治療法についてご紹介します。

湿疹

皮膚のかゆみ、赤みやブツブツがあらわれます。乾燥などによりバリアが低下した皮膚が、外部からの刺激を受けることで生じます。汗をかきやすい夏や、乾燥しやすい冬に現れやすい症状です。
治療にはステロイド外用薬や保湿剤のほか、抗アレルギー薬を使うことがあります。症状をコントロールするには、皮膚を清潔に保ったり、こまめに保湿を行ったりと日頃から皮膚をケアしておくことが大切です。

蕁麻疹(じんましん)

急にかゆみを伴う発疹が現れる症状です。食べ物や日光、温度の変化により起こることもありますが、蕁麻疹(じんましん)の約7割には特定の原因がありません。
症状を抑えるために、抗アレルギー薬の一つである抗ヒスタミン薬が使われることがあります。原因が分かっている場合は原因となる食べ物や刺激を避けたり、症状が現れたときに薬を使ったりして症状をコントロールします。

花粉症

花粉が体内に入ることでくしゃみや鼻水、鼻づまりなどの症状が起こります。日本で発症する花粉症の多くは、スギやヒノキの花粉が原因です。目のかゆみや異物感を伴う場合もあります。

症状を抑えるためには抗アレルギー薬の飲み薬のほか、目薬や点鼻薬を使うこともあります。
抗アレルギー薬の飲み薬は、飲み始めてから効果が現れるまでに数日から数週間かかるものもあるため、毎年花粉症に悩んでいる方は症状が出そうな時期よりも少し早めに病院を受診しておくと症状の予防が可能です。

気管支喘息

気道に炎症が起こり、一度発作が始まると激しいせきや息苦しさ「ゼェー」「ヒュー」といった呼吸音が現れる病気です。発作は深夜から明け方に見られ、発作が起きていない時は症状が起こりません。
治療には炎症を抑える作用をもつ薬や、気管支を広げる作用をもつ薬を使います。発作を予防する薬と現れた発作を抑える薬があり、予防として気道の炎症を抑える抗アレルギー薬が使われることがあります。

アレルギー性結膜炎

眼のかゆみや目やに、充血が現れる病気です。花粉だけでなく、ハウスダスト・ダニが原因となることもあります。
治療には抗アレルギー薬やステロイド成分の入った目薬を使うことがあります。

抗アレルギー薬は危険?副作用と使用する際の注意点を解説

使用する際の注意点

抗アレルギー薬は正しく使えば役立つ薬ですが、使用してから副作用が現れる可能性があります。薬を使用する時は以下に注意しましょう。

眠気に注意が必要な薬がある

抗アレルギー薬の種類によっては、飲むと眠くなるものもあります。特に抗ヒスタミン薬を服用している時は、車の運転や機械ができないことがあります。

しかし、薬を一切飲まないでアレルギー症状を我慢するのはつらいですよね。抗アレルギー薬の中にも眠くなりにくいものがありますので、諦める前に医師、薬剤師に相談しましょう。症状を抑えながら、日頃の生活の質を保つことが重要です。

アルコールとの飲み合わせが悪い

抗ヒスタミン薬は、アルコールと一緒に服用することで血液中の濃度が上がってしまうことが分かっています。薬の血中濃度が上がると、副作用が現れるリスクが高まります。抗アレルギー薬を飲む時はお酒を控えましょう。

また、薬によってはアルコールのほかにも組み合わせに注意が必要な成分があります。ほかの薬やサプリメントを飲んでいる場合は、あらかじめ医師や薬剤師に相談しましょう。

妊娠中、授乳中は使えない薬がある

妊娠中または妊娠している可能性がある方、授乳中の方は使えない薬があります。当てはまる方は、薬を飲む前に必ず医師、薬剤師に相談しましょう。
なお全ての抗アレルギー薬が使えないわけではなく、妊婦や授乳婦の方にもお使いいただける抗アレルギー薬もあります。

当院での皮膚のかゆみや炎症の治療法

当院では湿疹や蕁麻疹(じんましん)、アトピー性皮膚炎など皮膚の症状にお悩みの方に対して診療を行っております。治療として保湿剤やステロイド剤のほか、抗アレルギー薬の処方も可能です。
当院で抗アレルギー薬を処方する際は初診料や再診料、お薬代などがすべて3割負担となります。費用の目安は一回の受診につき約1,000円~3,000円です。

塗り薬や飲み薬で症状が改善しない場合、免疫をコントロールするための注射薬を使うこともあります。皮膚のかゆみや炎症の際には、以下のような治療を行っておりますので、一度当院でご相談ください。

【保険による診療】
・皮疹やかゆみの原因をブロックする注射薬:デュピクセント®
免疫の働きをコントロールする薬です。塗り薬や飲み薬だけでは症状が改善できない場合に使われます。

・皮膚の炎症を抑える薬:ステロイド外用療法、タクロリムス水和物軟膏療法
患部に薬を塗布して、炎症を抑える方法です。症状の程度や部位によって、薬を使い分けることがあります。

・皮膚のバリア機能を維持する薬:保湿剤(ワセリン、ヘパリン類似物質製剤、尿素製剤等)
皮膚の乾燥を防ぎ、バリア機能を保つことで皮膚の症状を抑えます。

・皮膚のかゆみを改善する薬:抗ヒスタミン剤、抗アレルギー剤内服
アレルギー反応に関わる化学物質に働きかけて、症状を抑えます。

・紫外線療法
308nmの波長をもつ紫外線を照射する、エキシマライト治療が皮膚の症状に対して効果的です。紫外線により免疫をコントロールして、皮膚のアレルギー症状を抑えます。

抗アレルギー薬に関するよくあるQA

抗アレルギー薬について、よくある質問とその答えをまとめました。抗アレルギー薬を使う上で疑問に思うことがあれば、まずこちらをチェックしましょう。

Q.1 運転をする人にも飲める抗アレルギー薬はある?

抗アレルギー薬の中には、中枢神経に移行しにくいものもあります。以下の薬には、車の運転について注意の記載がありません。運転する方が抗アレルギー薬を使用したい場合、医師に相談して眠くなりにくい薬を使用しましょう。

  • ・ビラスチン(ビラノア®)
  • ・デスロラタジン(デザレックス®)
  • ・ロラタジン(クラリチン®)
  • ・フェキソフェナジン塩酸塩(アレグラ®)

Q.2 抗アレルギー薬は長期で飲んでいても大丈夫?

飲んでいるのが抗アレルギー薬だけであれば、基本的に長期で服用していても問題ありません。
しかしステロイド薬や血管収縮薬を配合している薬を飲んでいる場合は、注意が必要な場合があります。処方されている薬が長期で使用できるか知りたい場合は、医師や薬剤師に相談しましょう。