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ニキビ治療塗り薬「ディフェリン」とは?効果が出るまでの期間、副作用を解説

公開 2023年6月12日
更新

ニキビ治療をしたいけれど、副作用が出やすいと言われる薬を使うのは不安ですよね。
この記事では、ディフェリンゲルの効果と副作用ついて詳しく解説しています。また、ディフェリンゲルを継続して使うためのポイントや、皮膚科や美容皮膚科でのニキビ治療法についても紹介します。

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MBC麻布十番 院長
山崎 禮子
監修者

聖マリアンナ医科大学医学部付属病院皮膚科、聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院皮膚科にて勤務したのち、医療法人社団奏愛会 おおふな皮膚科など皮膚科クリニックにて研鑽を重ね当クリニックにて勤務。

長岡 志帆
薬剤師
長岡 志帆
ライター

耳鼻科、眼科、内科、小児科、婦人科、皮膚科、精神科、整形外科などの処方箋を扱う調剤薬局勤務と卸売販売業を経験。現在スポーツファーマシスト、ライターとしても活動している。健康食品管理士、くらし薬膳アドバイザー等の資格も取得し、薬と健康の相談や情報提供を行っている。

ニキビ治療薬「ディフェリン」とは?

ディフェリンゲルは2018年に日本初の外用レチノイドのニキビ治療薬として発売され、現在も広くニキビ治療に使用されている医薬品です。世界では日本よりも先に使用されており、効果が認められています。

ディフェリンゲルの成分であるアダパレンは、ビタミンA誘導体の一種です。美容皮膚科で用いられるトレチノイン(レチノイン酸)も同じビタミンAですが、同じものではありません。

トレチノインはピーリング作用と呼ばれる角膜剥離や表皮のターンオーバーを促進する作用をもっています。ディフェリンゲルもピーリング作用はありますが、主な作用は毛穴の入口部分である毛包漏斗部(もうほうろうとぶ)の表皮にある角化細胞の角化が進行するのを抑え、角質層を薄くすることです。この作用により、毛穴の詰まりである角栓や炎症が起きている膿を外に出します。

ディフェリンはどんな人におすすめ?

ディフェリンがおすすめな人

ディフェリンゲルは、毛穴詰まりが原因の白ニキビをはじめ、すでに炎症が起きている赤ニキビがある方におすすめです。また、将来的にニキビになる可能性がある目に見えない毛穴の詰まり(マイクロコメド)にも働きかけて、ニキビの新生を抑える効果があります。

ディフェリンの効果|効果が出るまでの期間

ディフェリンの効果は皮膚のターンオーバーに関係するため、継続使用することで効果を十分に感じられるようになります。使用開始後は、まず白ニキビや赤ニキビに効果が見られ、3ヶ月程たつと新しいニキビの数や、赤ニキビにまで進行する数が減っているのを感じられるようになります。半年後以降にはさらに新しいニキビの数が減っていると感じるようになります。
また、ディフェリンゲルがもつピーリング作用により、全体的に肌のキメが良くなったと感じる方もいます。
ニキビの治療からニキビが出にくい肌になるまで、1年程継続して使用することが理想です。

ディフェリンに副作用はある?使用する際の注意点

ディフェリンを使用する際の注意点

ディフェリンゲルの副作用は使用している約80%の人に、皮膚の赤み、乾燥、皮が剥ける(落屑)、ピリピリしたり化粧水がしみるなどの皮膚刺激、約60%の人に皮膚の乾燥、約50%の人に皮膚の不快感(ピリピリしたり化粧水がしみる)、約30%の人に皮膚がむける、約20%の人に皮膚の赤みの症状が見られます。これはディフェリンゲルの効果によって皮膚の角質細胞が減り、角質層が薄い状態になることが原因です。

角質層は皮膚の最表面にあり、肌の保湿や外部刺激からの保護をする働きがあります。角質層が薄くなると、乾燥しやすくなったり、刺激に敏感になるようになるので、多くの方が上記のような副作用を感じるようになります。

一般的には薬を使いはじめて3日目あたりから副作用を感じるようになり、10日から14日目あたりには症状がおさまってきます。この期間は自己判断で薬の使用を止めないで、保湿をしっかりして様子を見るようにしましょう。また、皮が剥けてきた場合には、自然と剝がれ落ちるのを待ちましょう。無理に剝してしまうと、色素沈着など跡が残ってしまう可能性があります。

副作用を予防するために

副作用を予防するために、目の周囲や口角、鼻の穴周辺など反応が強くなる場所を避けて塗り、肌と衣服の摩擦、髪の毛に触れないようにするとよいでしょう。
もし、薬を塗るとすぐに赤くなったり、皮剥けがひどい時には薬の中止や、別の薬へ変更することもできるため、気になる症状がある時は我慢せず処方医に相談してください。

ディフェリンゲルは、妊娠中や妊娠の可能性がある方、授乳中の方は使用ができないため注意しましょう。

ディフェリンゲルの使い方のポイント

副作用を少なくし、ディフェリンゲルの十分な効果を得るためには、保湿と継続がポイントです。

保湿

保湿力が高く肌への負担が少ないノンコメド化粧品(ノンコメドジェニック:コメドを起こしにくいようにつくられている化粧品)を選び、朝夜2回の保湿を欠かさず行いましょう。

朝は洗顔後、化粧水などで保湿をしてから日焼け止めクリームを必ず塗りましょう。ニキビに紫外線は大敵です。化粧は厚塗りせず、肌に負担の少ない敏感肌用やニキビ肌用の化粧品の使用がおすすめです。

保湿

夜は化粧が残らないように泡で優しく洗顔したら、化粧水、保湿液、ディフェリンゲルの順で塗ります。ディフェリンゲルの量は、大人の顔全体には、第一関節分の量(1FTU=0.5g)が適量です。今あるニキビだけではなく、将来のニキビになるマイクロコメドにも塗るように、全体的に均一に塗ってください。

もし強い刺激感がある場合や、皮剥けがひどい時は、無理に塗らずに2日に1回の頻度で塗ったり、一旦お休みして様子を見ても構いません。

継続

前述のとおり使用開始後すぐに現れる副作用により、薬の継続をやめてしまう方が多く見られます。副作用は一時はつらいものの、徐々に落ち着いてきます。ディフェリンゲルの効果を実感するまで3ヶ月程かかるため、つらい症状を乗り越えて継続する必要があります。
日々の積み重ねがニキビができにくいきれいな肌へとつながるので、頑張って治療を続けましょう。

当院でのニキビ治療法一覧

当院でのニキビ治療法一覧

ニキビ治療薬は保険診療でできるため、費用面での負担はそれほど大きくありません。一般的には、外用薬がメインですが、時には抗菌薬や漢方薬、ビタミン剤など内服薬が処方されることもあります。

保険診療の場合は「ニキビ」という疾患を治療するのみと保険制度で決められているため、それ以上の治療は行うことはできません。また保険診療では、重度のニキビの治療は難しいと言われています。

一方で、保険外診療ではニキビ治療だけでなく、ニキビをできにくくする肌質改善や美肌を目指すことができます。重度のニキビ、クレーターや色素沈着などニキビ跡の改善、毛穴の開きを改善したい、ニキビ治療と同時に美肌を目指したいという方は、保険外診療も検討してみてください。

保険適用と保険適用外のニキビ治療

当クリニックで行う保険適用と保険適用外のニキビ治療についてまとめました。治療を受ける際の参考にしてください。

<保険診療>

治療法 対応できる
ニキビの種類
効果が出るまでの
期間
費用
ベピオゲル
(外用薬)
白ニキビ、赤ニキビ、黒ニキビ 2〜3ヶ月 ペピオゲル1,401円/1本15g
ベピオローション1,471円/1本15g
ディフェリンゲル
(外用薬)
白ニキビ、赤ニキビ、毛穴の詰まり 3ヶ月 1,236円/1本15g
保険適用3割負担で370.8円/1本15g
アクアチム
(外用薬)
赤ニキビ 1週間~1ヶ月 軟膏 1本(10g)245円
ローション1本(20ml)490円
クリーム 1本(10g)245円
ダラシン
(外用薬)
赤ニキビ、黄ニキビ 2週間~1ヶ月 ダラシンTゲル1本10g 329円
ダラシンTローション1本 20ml 658円
ビブラマイシン
(内服薬)
赤ニキビ、黄色ニキビ 1~3週間 12.5円/錠(50mg)
22円/錠(100mg)
保険適用3割負担
ミノマイシン
(内服薬)
赤ニキビ、黄色ニキビ 1~3週間 1錠19.10円
12歳以上のざ瘡
1回50mg〜100mg 経口1回〜2回
面ぽう圧出 白ニキビ、黒ニキビ 直後〜 490円/回の3割負担
べピオゲル(外用薬)
対応できる
ニキビの種類
白ニキビ、赤ニキビ、黒ニキビ
効果が出るまでの期間 2〜3ヶ月
費用 ペピオゲル1,401円/1本15g
ベピオローション1,471円/1本15g
ディフェリンゲル(外用薬)
対応できる
ニキビの種類
白ニキビ、赤ニキビ、毛穴の詰まり
効果が出るまでの期間 3ヶ月
費用 1,236円/1本15g
保険適用3割負担で370.8円/1本15g
アクアチム(外用薬)
対応できる
ニキビの種類
赤ニキビ
効果が出るまでの期間 1週間~1ヶ月
費用 軟膏 1本(10g) 245円
ローション1本(20ml) 490円
クリーム 1本(10g) 245円
ダラシン(外用薬)
対応できる
ニキビの種類
赤ニキビ、黄ニキビ
効果が出るまでの期間 2週間~1ヶ月
費用 ダラシンTゲル1本10g 329円
ダラシンTローション1本 20ml 658円
ビブラマイシン(内服薬)
対応できる
ニキビの種類
赤ニキビ、黄色ニキビ
効果が出るまでの期間 1~3週間
費用 12.5円/錠(50mg)
22円/錠(100mg)
保険適用3割負担
ミノマイシン(内服薬)
対応できる
ニキビの種類
赤ニキビ、黄色ニキビ
効果が出るまでの期間 1~3週間
費用 1錠19.10円
12歳以上のざ瘡 
1回50mg〜100mg 経口1回〜2回
面ぽう圧出
対応できる
ニキビの種類
白ニキビ、黒ニキビ
効果が出るまでの期間 直後〜
費用 490円/回の3割負担

<保険外診療>

治療法 対応できる
ニキビの種類
効果が出るまでの
期間
費用
ケミカル
ピーリング
・白ニキビ、赤ニキビ、黒ニキビ
・ニキビ跡
6ヶ月〜
(1ヶ月1回ペースで6回〜)
4,500円~20,000円
イオン導入 ・白ニキビ、赤ニキビ、黒ニキビ
・ニキビ跡
3ヶ月〜
(1週間に2回ペースで3ヶ月〜)
5,000〜15,000円
ダーマペン ・白ニキビ、赤ニキビ、黒ニキビ
・ニキビ跡
・その他(毛穴の開き、クレーターなど)
7ヶ月〜
(1ヶ月半〜2ヶ月に1回のペースで5回〜)
20,000〜30,000円
ポテンツァ ・白ニキビ、赤ニキビ、黒ニキビ
・ニキビ跡
・その他(毛穴の開き、クレーターなど)
4ヶ月半〜
(1ヶ月半〜2ヶ月に1回のペースで3回〜)
100,000〜200,000円
フォトフェイシャル
(ステラM22)
・白ニキビ、赤ニキビ、黒ニキビ
・ニキビ跡
・その他(毛穴の開き、クレーターなど)
5ヶ月〜
(1ヶ月に1回のペースで5回〜)
10,000〜50,000円
ケミカルピーリング
対応できる
ニキビの種類
・白ニキビ、赤ニキビ、黒ニキビ
・ニキビ跡
効果が出るまでの期間 6ヶ月〜
(1ヶ月1回ペースで6回〜)
費用 4,500円~20,000円
イオン導入
対応できる
ニキビの種類
・白ニキビ、赤ニキビ、黒ニキビ
・ニキビ跡
効果が出るまでの期間 3ヶ月〜
(1週間に2回ペースで3ヶ月〜)
費用 5,000〜15,000円
ダーマペン
対応できる
ニキビの種類
・白ニキビ、赤ニキビ、黒ニキビ
・ニキビ跡
・その他(毛穴の開き、クレーターなど)
効果が出るまでの期間 7ヶ月〜
(1ヶ月半〜2ヶ月に1回のペースで5回〜)
費用 20,000〜30,000円
ポテンツァ
対応できる
ニキビの種類
・白ニキビ、赤ニキビ、黒ニキビ
・ニキビ跡
・その他(毛穴の開き、クレーターなど)
効果が出るまでの期間 4ヶ月半〜
(1ヶ月半〜2ヶ月に1回のペースで3回〜)
費用 100,000〜200,000円
フォトフェイシャル
(ステラM22)
対応できる
ニキビの種類
・白ニキビ、赤ニキビ、黒ニキビ
・ニキビ跡
・その他(毛穴の開き、クレーターなど)
効果が出るまでの期間 5ヶ月〜
(1ヶ月に1回のペースで5回〜)
費用 10,000〜50,000円

よくあるQA

ディフェリンゲル使用においてよくある質問に回答します。

Q.塗り薬ディフェリンの効果は何ですか?

ニキビができる原因の1つである、毛穴の詰まりを取り除く効果があります。
炎症を起こしている赤ニキビのほか、ニキビ予備軍である目に見えない毛穴の詰まり(マイクロコメド、白ニキビ、黒ニキビ)にも効果があります。

Q.ディフェリンゲルの皮剥けはいつまで?

皮剥けは、一般的には使用をはじめて3日あたりから始まり、2週間程度でおさまります。
この時期はつらいですが我慢して、薬の継続と保湿をしっかり行いましょう。皮剥けの程度が強い場合は一度薬の使用を止めて様子を見たり、弱いステロイドで治療することもあるので、処方医に相談することも検討してください。