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ニキビ治療塗り薬「ダラシン」とは?副作用や使い方、料金を解説

公開 2023年6月12日
更新 2024年4月7日

ダラシンは保険適用でニキビ治療ができる抗生物質の塗り薬です。
ダラシンの主成分であるクリンダマイシン酸エステルは、ニキビを悪化をさせるアクネ菌や表皮ブドウ球菌を強力に殺菌し、炎症を起こし腫れている赤ニキビや黄ニキビ(化膿ニキビ)を改善する効果があります。

炎症を起こしていないニキビやニキビ跡などを直接改善する効果はありませんが、ダラシンでニキビ治療をして炎症を長引かせないことは、ニキビ跡やクレーターの予防につながります。

この記事ではダラシンについて、効果や副作用、使い方、料金、効果が出るまでの期間など詳しく解説します。ニキビでお悩みの方は治療の選択肢の一つとして検討してみてください。

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MBC麻布十番 院長
山崎 禮子
監修者

聖マリアンナ医科大学医学部付属病院皮膚科、聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院皮膚科にて勤務したのち、医療法人社団奏愛会 おおふな皮膚科など皮膚科クリニックにて研鑽を重ね当クリニックにて勤務。

高山 ゆり子
薬剤師/医療ライター
高山 ゆり子
ライター

薬学部を卒業後、薬剤師として調剤薬局に勤務。現在は薬局勤務のかたわら、WEBライターとしても活動。医療・健康分野で執筆を通して正確な知識と情報を届ける。YMAA認証マーク取得。

ダラシンは殺菌作用のあるニキビ治療薬

ダラシンは殺菌作用のあるニキビ治療薬

ダラシンはリンコマイシン系抗生物質の一つであるクリンダマイシン酸エステルが主成分のニキビ治療薬です。クリンダマイシン酸エステルには、ニキビを悪化させるアクネ菌や表皮ブドウ球菌のタンパク増殖を抑える強力な殺菌作用があります。これにより赤ニキビや黄ニキビの炎症や腫れを抑えます。

ダラシンのニキビ治療は、日本皮膚科学会の治療ガイドラインでも強く推奨されており、高い効果が認められています。

ダラシンの効果は?どんなニキビに効く?

ダラシンの効果は?どんなニキビに効く?

ダラシンはニキビの中でも炎症が起きて腫れている赤ニキビや化膿している黄ニキビに効果があります。

ニキビは肌のターンオーバーが乱れたり、皮脂が多く出てしまうことで、毛穴に角質や皮脂が詰まり症状が現れます。初期の白ニキビでは皮脂の詰まった毛穴は閉じていますが、進行すると毛穴が開き、皮脂が空気に触れて酸化し黒ニキビになります。毛穴の常在菌であるアクネ菌が増殖すると炎症が起きて赤ニキビとなり、さらに悪化すると表皮ブドウ球菌が増殖し化膿した黄ニキビになります。

ダラシンは赤ニキビや黄ニキビの原因であるアクネ菌や表皮ブドウ球菌を強力に殺菌することで、腫れているニキビを改善します。

ダラシンはニキビ跡、毛穴の開き、いちご鼻には効かない?

ダラシンは白ニキビや黒ニキビ、ニキビ跡、毛穴の開き、毛穴の黒ずみには効果がありません。また、ニキビとよく似た、角栓の詰まりが原因で起こるいちご鼻にも効果はありません。これは、ダラシンが細菌を殺菌することで炎症を抑える作用をもつため、細菌感染していない皮膚には効果を発揮できないからです。

しかし、ダラシンでニキビ治療をし炎症を長引かせないことは、ニキビ跡や毛穴の黒ずみの予防につながります。肌は炎症が起きるとメラニン色素がつくられますが、炎症が長引くとメラニン色素が色素沈着となって残り、毛穴の黒ずみの原因となってしまいます。また、毛穴の詰まりで起こるいちご鼻は、放置するとニキビに進行する場合もあるので、症状がある方は医師に相談し適切な治療を受けるようにしましょう。

ダラシンの副作用は?

ダラシンの副作用は、皮膚のかゆみ、刺激感、つっぱり感、乾燥などが挙げられます。特に乾燥肌の方は、刺激感やつっぱり感の副作用が出やすいとされています。これらの副作用は、ダラシンを使う前に保湿をすると症状を軽くすることができます。乾燥が気になる時は、保湿剤を処方してもらうなどの対策をとりましょう。

このほかに重大な副作用として、大腸炎と即時型アレルギー反応があります。
以下の方は使用に注意が必要ですので、必ず医師に申し出るようにしましょう。

  • ●過去に抗生物質で下痢をしたことがある、もしくは大腸炎になったことがある方
  • ●アトピー体質の方

ダラシンは以下の方には使用できません。

  • ●主成分のクリンダマイシンまたはリンコマイシン系抗生物質に対して過敏症の既往歴がある方
  • ●妊娠中または授乳中の方

ダラシンは、以下の薬と一緒に使うと効果に影響が出ることがあります。ほかに使っている薬がある場合は、医師または薬剤師に相談しましょう。

  • ●抗生物質のエリスロマイシン(エリスロシン)
  • ●一部の注射剤

ダラシンTゲル・ローションの使い方と注意点

ダラシンの塗り薬にはゲル、ローションの2つのタイプがあります。それぞれの使い方と注意点を詳しく解説します。

ダラシンTゲルの使い方と注意点

ダラシンTゲルの使い方と注意点

ダラシンTゲルは1日2回、洗顔後に塗布します。

  • 1.洗顔をする
  • 2.化粧水、保湿クリームなどで保湿をする
  • 3.ダラシンTゲルを適量、手のひらに取る
  • 4.指に取り、ピンポイントでニキビに置く
  • 5.擦り込まず、円を描くように塗る
  • 6.塗り終わったら手をしっかり洗う

ダラシンTゲルには吸水性があり、乾燥しやすい特徴があります。ダラシンと保湿クリームを一緒に使う場合は、保湿を先に行ってからダラシンをピンポイントで塗るようにしましょう。これはダラシンを必要のない部分に塗り広げないようにするためです。

ダラシンTゲルは効果が出るまでに約2週間かかります。また、4週間使用しても効果がない場合は中止、もしくはほかの治療を検討します。これは、ダラシンなどの抗生物質をむやみに使い続けたり、症状のない部分に塗り続けると、菌が薬に耐性をもち、薬が効きにくくなることがあるためです。ニキビがある部分にのみ塗るようにしましょう。

ダラシンTローションの使い方と注意点

ダラシンTローションの使い方と注意点

ダラシンTローションも1日2回、洗顔後に塗布するお薬です。

  • 1.洗顔をする
  • 2.化粧水、保湿クリームなどで保湿をする
  • 3.ダラシンTローションを適量、手のひらに取る
  • 4.指に取り、ピンポイントでニキビに置く
  • 5.擦り込まず、円を描くように塗る
  • 6.広範囲の場合は、ピンポイントで置いたローションをつなげるように塗り広げる
  • 7.塗り終わったら手をしっかり洗う

ローションはニキビに少しテカりが残る程度に塗ります。また、広範囲に塗る時は、ローションを分けて置いた後、手のひらを使ってつなげるように伸ばすと均一に塗ることができます。

ダラシンTローションも2週間程度の使用で効果を感じる方が多く、炎症がおさまったら中止します。また、4週間使用しても効果が見られない場合は中止、もしくはほかの治療を検討します。

ダラシンの治療にかかる費用

ダラシンは保険適用でできるニキビ治療です。費用は以下になります。

  • ●ダラシンTゲル1本(10g) 329円
  • ●ダラシンTローション1本(20ml) 658円

上記の金額は保険適用前のもので、負担額は保険負担割合によって異なります。
このほかに、診察代などの費用がかかります。

保険診療と保険外診療のニキビ治療

ニキビ治療には保険診療と保険外診療があります。それぞれの違いと受けられる治療の範囲について詳しく解説します。

保険診療と保険外診療の違い

保険診療(保険適用)は、保険証の提示により原則3割負担の医療費で受けられる診療です。治療の範囲は健康保険法で決められているものに限られますが、メリットは経済的負担が少ない点が挙げられます。

一方、保険外診療(自由診療、自費診療)は保険証を使わず、全額自己負担で行う診療です。医療費は医療機関ごとに自由に決めて良いこととなっており、治療の内容に制限はありません。ですから、予防医療や美容を目的としたものまで、幅広い治療を受けることができます。

当クリニックでは保険外診療も行っているため、より多くの選択肢からご自身に合った治療法をお選びいただくことができます。

保険診療でできるニキビ治療

保険診療では、現在できているニキビに対して治療をすることができます。主に薬を使った治療が行われます。
ニキビ予防やニキビを繰り返さないための根本的な肌質改善、ニキビによりできてしまったクレーターなどの治療は、保険診療のニキビ治療では対応していません。また、重症化したニキビの改善は、保険診療の治療だけでは難しいケースが多く見られます。

保険外診療でできるニキビ治療

保険外診療では、すべての段階のニキビに対してだけでなく、ニキビが治った後の皮膚の凸凹(クレーター)や毛穴の開き、毛穴の黒ずみの改善、さらにニキビを予防するための根本的な肌質改善も行うことができます。また、放置するとニキビへ進行することのあるいちご鼻の改善にも対応しています。

保険診療の治療では思うような効果が見られなかった方や薬が肌に合わなかった方は、保険外診療の治療も検討してみてください。

当院でのニキビ治療法一覧

当院でのニキビ治療法一覧

当クリニックで行う保険適用と保険適用外のニキビ治療についてまとめました。治療を受ける際の参考にしてください。

<保険診療>

治療法 対応できる
ニキビの種類
効果が出るまでの
期間
費用
ベピオゲル
(外用薬)
白ニキビ、赤ニキビ、黒ニキビ 2〜3ヶ月 ペピオゲル1,401円/1本15g
ベピオローション1,471円/1本15g
ディフェリンゲル
(外用薬)
白ニキビ、赤ニキビ、毛穴の詰まり 3ヶ月 1,236円/1本15g
保険適用3割負担で370.8円/1本15g
アクアチム
(外用薬)
赤ニキビ 1週間~1ヶ月 軟膏 1本(10g)245円
ローション1本(20ml)490円
クリーム 1本(10g)245円
ダラシン
(外用薬)
赤ニキビ、黄ニキビ 2週間~1ヶ月 ダラシンTゲル1本10g 329円
ダラシンTローション1本 20ml 658円
ビブラマイシン
(内服薬)
赤ニキビ、黄色ニキビ 1~3週間 12.5円/錠(50mg)
22円/錠(100mg)
保険適用3割負担
ミノマイシン
(内服薬)
赤ニキビ、黄色ニキビ 1~3週間 1錠19.10円
12歳以上のざ瘡
1回50mg〜100mg 経口1回〜2回
面ぽう圧出 白ニキビ、黒ニキビ 直後〜 490円/回の3割負担
べピオゲル(外用薬)
対応できる
ニキビの種類
白ニキビ、赤ニキビ、黒ニキビ
効果が出るまでの期間 2〜3ヶ月
費用 ペピオゲル1,401円/1本15g
ベピオローション1,471円/1本15g
ディフェリンゲル(外用薬)
対応できる
ニキビの種類
白ニキビ、赤ニキビ、毛穴の詰まり
効果が出るまでの期間 3ヶ月
費用 1,236円/1本15g
保険適用3割負担で370.8円/1本15g
アクアチム(外用薬)
対応できる
ニキビの種類
赤ニキビ
効果が出るまでの期間 1週間~1ヶ月
費用 軟膏 1本(10g) 245円
ローション1本(20ml) 490円
クリーム 1本(10g) 245円
ダラシン(外用薬)
対応できる
ニキビの種類
赤ニキビ、黄ニキビ
効果が出るまでの期間 2週間~1ヶ月
費用 ダラシンTゲル1本10g 329円
ダラシンTローション1本 20ml 658円
ビブラマイシン(内服薬)
対応できる
ニキビの種類
赤ニキビ、黄色ニキビ
効果が出るまでの期間 1~3週間
費用 12.5円/錠(50mg)
22円/錠(100mg)
保険適用3割負担
ミノマイシン(内服薬)
対応できる
ニキビの種類
赤ニキビ、黄色ニキビ
効果が出るまでの期間 1~3週間
費用 1錠19.10円
12歳以上のざ瘡 
1回50mg〜100mg 経口1回〜2回
面ぽう圧出
対応できる
ニキビの種類
白ニキビ、黒ニキビ
効果が出るまでの期間 直後〜
費用 490円/回の3割負担

<保険外診療>

治療法 対応できる
ニキビの種類
効果が出るまでの
期間
費用
ケミカル
ピーリング
・白ニキビ、赤ニキビ、黒ニキビ
・ニキビ跡
6ヶ月〜
(1ヶ月1回ペースで6回〜)
4,500円~20,000円
イオン導入 ・白ニキビ、赤ニキビ、黒ニキビ
・ニキビ跡
3ヶ月〜
(1週間に2回ペースで3ヶ月〜)
5,000〜15,000円
ダーマペン ・白ニキビ、赤ニキビ、黒ニキビ
・ニキビ跡
・その他(毛穴の開き、クレーターなど)
7ヶ月〜
(1ヶ月半〜2ヶ月に1回のペースで5回〜)
20,000〜30,000円
ポテンツァ ・白ニキビ、赤ニキビ、黒ニキビ
・ニキビ跡
・その他(毛穴の開き、クレーターなど)
4ヶ月半〜
(1ヶ月半〜2ヶ月に1回のペースで3回〜)
100,000〜200,000円
フォトフェイシャル
(ステラM22)
・白ニキビ、赤ニキビ、黒ニキビ
・ニキビ跡
・その他(毛穴の開き、クレーターなど)
5ヶ月〜
(1ヶ月に1回のペースで5回〜)
10,000〜50,000円
ケミカルピーリング
対応できる
ニキビの種類
・白ニキビ、赤ニキビ、黒ニキビ
・ニキビ跡
効果が出るまでの期間 6ヶ月〜
(1ヶ月1回ペースで6回〜)
費用 4,500円~20,000円
イオン導入
対応できる
ニキビの種類
・白ニキビ、赤ニキビ、黒ニキビ
・ニキビ跡
効果が出るまでの期間 3ヶ月〜
(1週間に2回ペースで3ヶ月〜)
費用 5,000〜15,000円
ダーマペン
対応できる
ニキビの種類
・白ニキビ、赤ニキビ、黒ニキビ
・ニキビ跡
・その他(毛穴の開き、クレーターなど)
効果が出るまでの期間 7ヶ月〜
(1ヶ月半〜2ヶ月に1回のペースで5回〜)
費用 20,000〜30,000円
ポテンツァ
対応できる
ニキビの種類
・白ニキビ、赤ニキビ、黒ニキビ
・ニキビ跡
・その他(毛穴の開き、クレーターなど)
効果が出るまでの期間 4ヶ月半〜
(1ヶ月半〜2ヶ月に1回のペースで3回〜)
費用 100,000〜200,000円
フォトフェイシャル
(ステラM22)
対応できる
ニキビの種類
・白ニキビ、赤ニキビ、黒ニキビ
・ニキビ跡
・その他(毛穴の開き、クレーターなど)
効果が出るまでの期間 5ヶ月〜
(1ヶ月に1回のペースで5回〜)
費用 10,000〜50,000円

ダラシンについてよくあるQA

ダラシンについてよくある質問にお答えします。

Q.早くニキビを治したいので、1日にメイクの上から何度も塗っても大丈夫ですか?

ダラシンは決められた回数以上に塗ると副作用が出やすくなり、治療を続けることができなくなります。また、抗生物質であるダラシンは必要量を超えて塗り続けると、菌が耐性を持ち効果がなくなり、ニキビを重症化させる原因になります。ダラシンは1日2回洗顔後に塗ることが、最も安全で効果的であると証明されています。用法を守って使うようにしましょう。
また、メイクの上から塗るとダラシンが皮膚に浸透せず、十分な効果を期待できません。洗顔⇒化粧水⇒保湿クリームまたは保湿剤⇒ダラシン⇒メイクの順番を守るようにしましょう。

Q.クリンダマイシンとダラシンの違いは何ですか?

クリンダマイシンはダラシンのジェネリック医薬品(後発品)です。主成分はダラシンと同じクリンダマイシン酸エステルで、効果や用法、副作用などはダラシンと同等であると認められています。
現在、ダラシンにはゲル剤とローション剤の2タイプがありますが、ダラシンのジェネリック医薬品はゲル剤のみ発売されています。商品名はクリンダマイシンゲル1%、クリンダマイシン酸エステルゲル1%です。